こんにちは、セントです。
今回取り上げる話題は、『香港、台湾、中国の違いの解説です』
最近、
「台湾って料理美味しいんですよね?」
「いやいや、住んでるの香港だよww」
とか、
台湾、香港がごちゃごちゃになっている人が多すぎて、みんなこんなに分からないんだなぁと思ったので香港、台湾、中国の違いについて解説していこうかなぁと思いました。
流石に中国との区別はついているようですが、でも歴史的背景や、地理的なことがわからない人が多いので香港、台湾、中国の違いについてわかりやすく解説をしていきたいと思います。
何もわからない人でも簡単に理解できるようにまとめていきますね。
香港、台湾、中国本土の場所
地図の左上を占めるのが、中国本土になります。
かなりの大きさですよね。
次に日本列島から、沖縄を経て下に来ると、台湾があります。そして、香港は青い点ですね(位置バレ)www
ちなみに、香港の左隣が、カジノで有名なマカオです。
香港からは1時間でマカオに行けます。
地図上だと香港とマカオは、本当に小さな場所ですねww
中国と台湾の歴史
1616年〜1912年、中国には清という国がありました。
清は大国でしたがヨーロッパや日本と戦争をして負け続けていました。(日本との戦争には負けていないと言う人もいますが、争う気はないのでそう言う考えの人はそれでいいと思いますw)
当然、戦争に負けるとペナルティーが課せられます。
この時は具体的には、莫大な罰金と領土の譲渡でした。
清は、かなりの増税をしたので民衆は清政府に不満を持ちはじめるわけです。
そして清では、民衆による大きな反乱がいくつか起きました。
辛亥革命
ここで登場するのが孫文という人です。
ちなみに孫文は、中華圏では「孫中山」という名前で知られてます。
孫文は明治維新を成功させた日本にならって近代国家を作り、西洋に対抗しようと考えました。
というわけで孫文が革命を起こし、清は滅亡します。
その後、孫文は中華民国という国をつくりました(辛亥革命)やがて孫文は中華民国を運営する政党として、中国国民党(以下、国民党)を組織します。
しかし当時の中国にはまだまだ対抗勢力がいました。
中国共産党
それが、中国共産党(以下、共産党)です。
共産主義は当時の不満いっぱいの若者たちに支持され、やがて毛沢東率いる中国共産党は力をつけていきました。
孫文が健在の時は、両党は共存していました。
しかし、孫文が亡くなり蒋介石が国民党(中華民国)のトップになると、国民党は共産党を弾圧し始めます。
これが国民党と共産党の対立の始まりですね。
それから国民党と共産党の対立は激化していって、日に日に国民党に不利になっていきました。
というのも、当時の国民党は日本との戦争で消耗し、共産党はソビエト連邦から武器の支援を受けていました。
だから、共産党の方が有利になって行ったのです。
日本の撤退
1945年8月に日本が第二次世界大戦に負け、台湾から撤退します。
1895年から1945年まで台湾は日本の領土でした。ちなみに香港は1941年12月25日から、日本のポツダム宣言受諾による降伏後、イギリス軍が香港に再上陸する1945年8月末まで日本領だったんです。この3年8ヶ月間にわたる日本統治時期を香港では「三年零八個月」と呼んでいる。
台湾の話に戻りますが、日本が撤退した後の台湾は国民党の中華民国が統治しました。
この頃の国民党は共産党との内戦にかなり苦戦して、大陸を離れて台湾に逃げ込み、台北に臨時政府をおきました。
そしてなんと、この状態は今日まで70年以上続いているんです。
これが中国と台湾の分断の歴史です。
つまり、共産党は中国大陸で中華人民共和国(中国)を、国民党は台湾で中華民国(台湾)を統治してきたわけなんです。
香港の歴史
香港はもともと中国南部の小さな漁村にすぎませんでした。
中国(当時は清)は1841年のアヘン戦争でイギリスに敗北して、イギリスに香港をとられてしまい、香港はその後約150年にわたるイギリス統治を経て、1997年に中国へと返還されました。
そこへイギリス式の資本主義制度が導入されたわけですから、香港の経済は飛躍的に伸びたのです。
だから、1997年に中国に返還された後も、香港は先進国並みの経済力を持ってるんですね。
国籍は中国だけれど、経済力・社会システム・人々の考え方などは未だに西洋寄り。
「自分たちは中国とは違う」と考える香港人も多いですね。
ホンマでっか補足
⦅日本は香港軍政府を今のペニンシュラに置いていた!⦆
中国・台湾・香港の言語
会話
第一言語(母語) | 第二言語 | |
中国 | 中国語 | 地方の言葉(上海語、湖南語など) |
台湾 | 中国語 | 台湾語(閩南語など) |
香港 | 広東語 | 英語・中国語 |
中国と台湾は中国語(普通話)を話し、香港は広東語を話すので中国人と台湾人はお互いに会話ができますが、香港人とは会話ができません。
しかし、最近の香港人は学校で中国語を勉強しているので、若い世代に限っては中国語ができる人もだいぶ増えてきています。
また、中国各地には中国語とは違った方言が数多く存在します。
だから中国人は基本的にバイリンガルと言えます。
どういうことかと言うと、上海の人なら中国語と上海語を、湖南の人なら中国語と湖南語を話すように、ほとんどの中国人が標準中国語と地元の方言のような言語(でも実際は方言どころじゃなく聞き取れないほど違う言語)を話すという意味です。
また、台湾にも台湾語という言語があり、これもまた中国語とは全然違う言語です。
つまり台湾人も基本的にみんなバイリンガルなのです。
私は普通語が出来るので、中国、台湾での会話にはほとんど困りませんが、住んでいる香港は下手な英語で生活していますwwまぁ、接客業に従事している人は中国語が喋れるので、ほとんど困ることは無いんですけどね
文字
中国は簡体字と呼ばれる簡略化された漢字を使用しているのに対し、台湾と香港は繁体字と呼ばれる伝統的な画数の多い漢字を使用しています。
例えば <「豊」の書き方>
- 中国 → 「丰」
- 台湾、香港 → 「豐」
このように中国と台湾・香港で漢字の書き方が違います。
だから、台湾や香港の漢字が読めない中国人や、中国の漢字が読めない台湾人・香港人もいます。
中国・台湾・香港のお金
「中国・台湾・香港の歴史」で説明したように、これら3地域はそれぞれ歴史背景が異なります。
歴史背景が異なるので中央銀行も異なり、よって、発行されているお金も異なります。
人民元(中国)
中国のお金は毛沢東の顔がプリントされているのが特徴的です。
日本語では「人民元」と言いますが、現地では「人民币 REN MIN BI」「RMB」「CNY」「块」「元」などと表記されます。1人民元 = 15.68円(2019年6月2日現在)言葉で話す時は、块kuaiが多いような気がします。
台湾元(台湾)
台湾のお金には孫文や蒋介石などの歴史人物以外にも、野球少年や科学の実験をしている子どもたちがプリントされています。
日本語では「台湾元」「台湾ドル」「ニュー台湾ドル」などと言いますが、現地では「台幣」「TWD」「NT$」「塊」「圓」などと表記されます。1台湾ドル = 3.4308 円(2019年6月2日現在)生活をしていて、ほとんど2000ドル札は見ない印象です。
香港ドル
香港ドルにはライオンの絵などがプリントされています。
日本語では「香港ドル」と言いますが、現地では「港幣」「港紙」「HKD」「圓」などと表記されています。
また、香港ドルは香港金融管理局によって運営されていますが、発行は香港上海銀行(HSBC)、スタンダードチャータード銀行、中国銀行 (香港)の3銀行が行なっています。1香港ドル = 13.811円(2019年6月2日現在)
中国・台湾・香港のパスポート
中国・台湾・香港は歴史背景が異なり、政府も異なるため、パスポートも異なります。
中国
中国(中華人民共和国)のパスポート
特徴は赤をベースに中国の国旗にある五つ星(五星紅旗)がプリントされてる点と、簡体字で書かれた「护照」(パスポート)の文字です。
中国人旅行客に対してビザ免除または到着時のビザ(アライバルビザ)を発給してる国は53カ国あります。
なお、中国人が日本旅行をする場合はビザを取得する必要があります。
台湾
台湾(中華民国)のパスポート
特徴は緑をベースに台湾の国旗にある太陽がプリントされてる点と、繁体字で書かれた「護照」(パスポート)の文字です。
台湾人旅行客に対してビザ免除または到着時のビザ(アライバルビザ)を発給してる国は130数カ国あります。
なお、台湾人が日本旅行をする場合はビザは不要です。
香港
香港のパスポート
特徴は紺をベースに中国の国旗にある五つ星がプリントされてる点と、繁体字で書かれた「護照」(パスポート)の文字です。
香港人旅行客に対してビザ免除または到着時のビザ(アライバルビザ)を発給してる国は150数カ国あります。
なお、香港人が日本旅行をする場合はビザは不要です。
※1997年以降、香港は中国に返還されたので、パスポートには中国国旗の五つ星がプリントされるようになりました。
中国・台湾・香港の行政や司法
中国と台湾はそれぞれ独立しているので、それぞれ自国の国会や裁判所をもっています。
また、香港は中国の一部なので国会はありませんが、議会・地方裁判所・行政長官(香港首長)が存在します。
しかし、香港の中国化を早めたい中央政府(北京)が、香港の選挙において、自分たちの意に沿わない人物の立候補を排除するシステムを導入しました。
そして激怒した香港人たちが立ち上がり、香港の中心部でデモを起こしました。
中国人・台湾人・香港人のアイデンティティ
台湾と香港は歴史・政治・経済・文化などあらゆる面において中国と異なります。だから自分のことを「中国人ではない」と考える人も非常に多いんです。
台湾の政治大学選挙研究センターの調査では、1992年に調査を始めた時は「中国人」「中国人であり台湾人」とする回答が全体の4分の3を占め、「台湾人」との回答は19%に過ぎなかった。
それが2015年には「台湾人」という回答は60%を超え、「中国人であり台湾人」が33%、「中国人」が3%になってしまった。
一方、香港でも香港大学民意研究プロジェクトの調査(2016年6月)によれば、自身を「香港人」と考える人は67.0%(2006年調査では49.9%)であったのに対し、逆に「中国人」と称する者は30.7%(2006年調査では49.5%)に達した。
アイデンティティーの面でも「若者の中国離れ」が着実に進行しており、香港アイデンティティーは、台湾アイデンティティーの動きを10年遅れで追いかけているように見るのが自然である。
台湾で自分のことを台湾人と思っている人は93%。また、香港で自分のことを香港人だと思っている人は67%となっています。このように台湾と香港では若者を中心に中国離れが進んでいます。
なお、これから時間が経てばこの傾向はさらに加速するかもしれません。
中国・台湾・香港と日本の関係
中国と日本の関係
中国と日本の間には国交があります。両国は1972年に日中共同声明に調印し、国交を回復させました。
表面上、国同士は仲直りをしましたが、お互いの国民感情は悪いままです。
背後には歴史問題や領土問題などが原因としてあるのですが、国民レベルではそこまで日本が嫌いだと言う人は減ってきている印象です。
台湾と日本の関係
1972年の日中共同声明を経て、日本は中国を認める代わりに台湾との国交を断絶しました。
だから現在の日本は台湾を国として認めておらず、お互いの国に大使館がありません。
しかし、日本国内には台北駐日経済文化代表処という機関があり、ここが事実上の大使館業務を行なっています。
つまり、国交がないというのは表面的なものであり、実際には国と国同士の関係が続いているのです。
またたとえ国交がなかったとしても、日台両国の国民感情はとても良好です。「台湾は親日」というのをネットでよく目にしますがこれはある程度本当でしょう。
もちろん中には日本に全く興味がなかったり、逆に何かの理由で反感を持っている人がいるのも事実です。
でも基本的には私が日本人だと分かると優しく接してくれますし、日本に対する印象は決してマイナスではないですね。
香港と日本の関係
香港はもともと国だったことはなく、イギリス時代も現在も日本との国交はありません。
だから日本で香港関連の手続きをする際は、中国大使館に行くことになります。
なお、日本人と香港人のお互いの国・地域に対する感情は良好と言えます。
実際、香港人の一番好きな旅行先に日本の名前が挙がるほど、日本好きの香港人は多いです。
しかし、少なめですが反日の香港人もおり香港日本大使館前には、慰安婦像が設置されています。
まとめ
皆さんに少しでも香港、台湾、中国のことが伝わればなぁと思い書きました。
3つの地域に関しては、「独立国である」とか書いた瞬間に反論が来そうなデリケートな問題です。
日本人の感覚では、よく分かりませんけどね。
今日も、ブログを読んでいただきありがとうございました。