世界経済の知識

【シェールガス革命】サウジVSアメリカ

セント

こんにちは、セントです。

今回は、サウジアラビアと、アメリカのシェールガス革命について話をしていこうと思います。

原油は、高いほうがいいの?安いほうがいいの?

私たちが生活していく上では、安いほうがいいのですが、そこにはどうも国家間のエネルギー戦略の思惑が関係していると言われています。

その辺を深掘りしていきましょう。

アラブの産油国とシェールガス革命

原油価格の下落によって、ロシア経済は大きなダメージを受けることとなりました。

この、原油価格の下落には裏があると言われています。

解説していきます。

アラブの諸国は、豊富な原油の生産と、その価格のコントロールができると言われていて、それによって強い経済力を維持しています。

日本、アメリカ、ヨーロッパなどの先進国は、資源を輸入して経済を維持しています。

特に、中国や、アメリカは世界最大のエネルギー輸入国です。

その構図を一変させる原因になったのが、シェールガス革命でした。

新エネルギー「シェールガス」の実用化

シェールガスは登場から、予想よりもかなり早い段階で、石油に代わる新しいエネルギーとして実用化されていきました。

また、このシェールガスのほとんどはなんと、アメリカで生産されていて、アメリカがエネルギー輸出国に成り上がる可能性すら出てきているのです。

この一連の動きは、今ままでエネルギー国家であったアラブ諸国にとっては、面白くない話になってきますよね。

アラブ諸国の狙い

原油価格が下落した、2016年にはOPEC(石油輸出国機構)がアメリカのシェールガス業者を潰すために供給調整を(減産)せずに、わざと原油価格を安価に誘導していたといわれています。

採掘コストの差で追い詰める

考えてみると、アラブの国だって原油価格が下がったら儲けが減っちゃうんじゃないの?

という話になってきますが、サウジアラビアでの発掘コストは(1バレルあたり)10米ドル以下といわれていて、アメリカのシェールガスの発掘コストは50米ドル前後といわれています。

すなわち、2016年の原油価格が30ドル前後になっても、利益率は減るもののアラブ諸国は経営を継続していけるのです。

しかし、アメリカのシェールガスは、営業を継続していけば継続するほど赤字になる計算になり、破綻のを見越したアラブ諸国の戦略でした。

このように、OPECを危機に陥らせる可能性のある新エネルギーのシェールガスに対して、アラブの思惑が原油安の背景になっていました。

原油価格の下落で悪影響の資産とは

シェールガス業界の衰退や、原油安などが与える影響の中に、コモディティ投資家以外へも波及する大きな流れを知っておく必要があります。

コモディティ(Commodity)とは
一般に、“商品”のことを指す言葉で、コモディティ投資とは、商品先物市場で取引されている原油やガソリンなどのエネルギー、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物といったようなコモディティ(商品)に投資することをいいます。投資の仕方には、直接的に商品や商品先物の市場で運用される商品ファンドが以前からありましたが、近年では、商品指数に償還価額が連動する債券などに投資する投資信託など、利用方法の選択肢が増えてきています。

原油価格下落で行できが悪化する、シェールガスやエネルギー業界が発行する、ハイイールド債やCLOの破綻などが、債券投資家にとって損になる可能性があります。

ハイ・イールド債

利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。イールド(yield)とは、直訳すると、収益、利回りという意味となります。
具体的には、格付会社などで信用格付がBB(ダブルビー)以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。

Collateralized Loan Obligation(ローン担保証券)

資産担保証券の一種である。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいう。 
金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産を、ローンより市場性の高い債券の形態にすることができるので、より機動的に資金を調達することができるというメリットがある。 

ベネズエラも石油依存が高い国でした。

さらには、財務状況が悪かったために、国債価格が暴落しました。

そこで救済に動いたのは「あの国」だったのです。

対アメリカ、中国の野望

原油価格の下落で裏で動いたのは中国でした。

中国は、原油の価格下落に苦しむ、ロシア、ベネズエラ、アルゼンチンに対して、資金の援助を申し出ました。

中国の狙いには、アメリカと親密ではない国との関係を強化しておくことで、将来的な天然資源の確保を狙った動きと見られます。

さらに中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立して、ヨーロッパの先進国や、アラブの産油国などの力のある国を取り込みました。

日本を主体とするアジア開発銀行(ADB)に対抗する構えになりました。

この一連の中国の動きは、長い目で見ればアメリカ中心で回ってきた世界の構図を変えていく可能性すらありますね!

まとめ

今回は、2016年の原油価格暴落に関して話をしてきました。

中国に関しては、すでにコピー商品を売っていたあの頃の中国はそこにはなく、すでに世界最先端の技術を兼ね揃え、外交にも抜かりない状態になってきています。

エネルギーの話に戻ると最近では、シェールガスの採掘コストもだいぶ抑えられてきて、原油価格も安定してきてはいますが、今後のサウジとアメリカの動きなどにも注目が必要です。

アメリカも黙ってないでしょうからねww

今日も、読んでいただきありがとうございました。