こんにちは、セントです。
今回は、先進国の中でいちばん労働時間が短いといわれているドイツが、労働時間が長いと言われる日本よりもなぜ労働生産性が高いのか?ということについてお話ししていこうと思います。
なぜこの話をするのか?
それは、友人が明日までに終わらせなくてはいけない大量の仕事を上司から頼まれ、明日までには絶対におわらないと嘆いていたからです。
日本では、直ぐに仕事をこなして仕事を溜めない人よりも、どれだけ長い時間仕事をしているかが評価されがちですよね?
こんな話をよく耳にしますよね。
- 「仕事が終わらなければ帰れない」
- 「仕事が終わらなければ飲みに行けない」
- 「仕事が終わらなければ遊びにいけない」
- 「仕事が終わらなければデートにいけない」
普通に考えたら、仕事を早く終わらせる人の方が能力が高いと評価されそうですよね?
そこで、世界でも労働時間が短いといわれるドイツですが、それでも生産性が高いと言われているので日本と比較をしていきたいと思います。
それは何故なのでしょうか?
その秘密に迫っていきます。
それでは今日もお付き合い下さい。
ドイツとの比較
日本の労働環境において世界と比べてみると、たくさんの疑問点が出てきてしまいます。
日本の皆さんに日本の労働環境を知って欲しいので、ドイツと比較していきたいと思います。
ドイツは、高級車で有名であったり、機械の製造業がとても盛んな国です。
日本も、「もの作り大国日本」と言われるように、ドイツと似たようなところがたくさんあります。
しかし、労働環境や働き方という面から2つの国を比べてみると、ほぼ正反対のようなものだということを知っていますか?
ドイツの労働関係について深掘りしていきましょう。
日本とドイツの年間の労働時間の差はこんなにも違う
日本とドイツを比べていくにあたり、年間の労働時間をみればその差が一目瞭然です。
OECDの2017年の調査。
ドイツ人の年間の労働時間は1356時間で、OECD加盟国中で最も短いとわかりました。
一方、日本では年間の労働時間は1710時間で、その差はなんと354時間と言う結果が出たのです。
Organisation for Economic Co-operation and Development の略称で、日本語で経済協力開発機構といいます。
OECDは、国際経済全般について協議することを目的とした国際機関です。
有給休暇を見ても、ドイツ人の有給休暇消化率はほぼ100パーセントで、日本とは対照的ですね。
354時間というのを日にちに直すと、2週間以上の差がある計算になり、学生時代の時の「長期の休み」に匹敵することになります。
この差はすごく大きいですよね!
なぜこんなにも違うことになるのか、理由を少し考えていってみましょう。
ドイツの労働に対する法律
ドイツでは1日の労働時間は原則的に8時間までと決まっています。
これは日本と同じですよね。
しかし、日本の労働時間の規則というのはすごく曖昧で「経営者有利である」と言われています。
一方ドイツの場合は、1日の労働時間を伸ばしたとしても10時間以内と定められています。
しかも、「その日残業をした分は別の日に早めに仕事を切り上げて相殺すること」と決まっています。
「別の日に仕事を早めに切り上げてもいいよ」ではありません。
経営者が求めるのです。
「別の日に早く帰れ」と。
これはなぜか?
じつは、経営者がこの規則を守らない場合罰金刑または(悪質なケースだと)禁固刑という厳しいペナルティーが課せられるのです。
さらに、平均法という法律があって、サービス業などの例外を除いて法律で「平日土曜日の午後8時から午前6時まで」は営業禁止、日曜日と祝日は終日営業できないと決まっています。
労働に対するドイツ人の思考習慣
ドイツ人の仕事に対する考え方は、仕事はあくまでも生活をするためのものであって、個人の生活を犠牲にしてまで働こうとは思いません。
夏休みとして2,3週間長期休暇を取るのも当たり前のことで、毎年新しい年になるとすぐに、夏休みの計画を練り始める人もいるそうです。
ドイツ人は人生を楽しんでいるという感じがしますね。
給料は高いの?
日本人よりも労働時間が少ないんだったら、給料が低くなるんじゃないの?と考えますよね?
給料はどのくらいもらってるの?にお答えします。
ドイツのサラリーマンの平均年収は58,000€程度で、日本円に換算すると約700万円に相当します。
高い。。。
実際には働く都市、会社の規模、部下の有無、学歴、勤続年数などによって年収額は大きく変化します。
例えば大卒初任給であれば35,000~45,000€の間が一般的な年収水準です。
初任給が40万円くらいですね。
日本は、この30年ほとんど給料水準が上がっていないのが原因ですね。
ドイツ人の働き方の秘密
ドイツ人は、効率性を非常に重視するといわれています。
日本では仕事を発注する側のお客さんが、発注先から「全然儲からないから、うちでは受けられません」と言われたら、多分日本人のほとんどは怒ってしまうかもしれません。
しかし、ドイツでは仕事量に対して見返りが少なすぎる場合は、同じように断りの説明を受けても、怒らずに納得する発注者が多いです。
もちろん発注者側も、いつも費用対効果のバランスを考えながら仕事をしているからです。
商品を生み出したり、販売するうえで費用をかけたことによって、どの程度の効果があるのか?ということを表しています。
最近日本でも少しずつ増えてきていますが、効率化重視のホームオフィス制(テレワーク)も、急速に普及してきています。
ホームオフィス制は、自宅のパソコンなどから企業のサーバーにログインをして仕事をすることです。
業種により毎日は無理でも毎週金曜日はホームオフィスのように、通勤時間をなくして効率化を優先する考え方が増えてきていい傾向だと思います。
日本は過剰サービス?
日本では、世界の国々と比較して「過剰サービス」といわれます。
先進国であっても、例えばパン屋さんでは、パンを1個ずつ透明なビニール袋に包んで、さらにビニール袋に入れてくれるというサービスは正直少ないです。
もちろん日系のパン屋さんであれば海外であってもそのようなサービスをしているところはところはありますが。
レストランで店員さんをよんでも、全然注文を取りにきませんし、郵便物などは再配達がないところもすごく多いです。
日本人が海外に行って、気付く「あるある」ですね。
日本は「おもてなしの国」ということで、世界に誇れるサービスを提供しています。
しかし、これが逆に労働生産性とか、長時間労働の原因になってしまっているのかもしれません。
日本の世界最高水準のサービスこそ、そこがネックになってしまうこともあるんですね。
まとめ
今回は、働く時間が短いドイツが、日本よりも生産性が高い理由というテーマで話をしてきました。
日本は法律で労働条件が決められているにも関わらず、経営者自体がそれを知らないケースが非常に多いです。
海外から日本を見ていて、もっと日本の労働環境が改善していくことを望んでいます。
ツイッターなどで「この会社おかしい」などと発言している人を、叩いている人を見かけることもあります。
しかし、世界基準から見ると叩いてる人がずれているのかもしれません。
もう少し、世界の働き方について考えてみるのもいいかもしれませんね。
そして、日本人みんながもっといい環境で働けるようになればいいなと思います。
今日も、読んでいただいてありがとうございました。