米中貿易戦争

米中貿易戦争、渦中の中国企業の解説:アメリカ企業との関係

こんにちは、セントです。

今回は、米中貿易戦争の渦中にある、中国企業について話をしていきたいと思います。

米中貿易戦争の中心の中国企業というのは、イメージとしては、上海や、北京などにあるように思っている人もいるかもしれません。

しかし、中国のシリコンバレーと言われる深セン地区(広東省深セン市)に本社を構えている企業がおおいのです。

深セン地区というのは、香港と隣接しており、香港から約1時間程度で深セン市に入ることができます。

渦中のZTEとファーウェイについて深掘りしていきます。

ZTE(中興通訊)HK:00763

ZTEは中国を代表する国有企業であり、香港市場に上場しています。

2017年12月期の売上高は約1,088億元。

2017年のスマートフォンの出荷台数は約4,300万台でです

その7割は海外向けで約半分の2,100万来を占めるのがアメリカです。

ZTEはスマートフォンの核となる半導体部分のほとんどを、アメリカのクアルコムやIntelから調達していて、自社のスマートフォンの部品の約30パーセントはアメリカ企業に依存していました。

そして、スマートフォン用の基本ソフト(OS)は、Google社のAndroid採用しています。

ZTEはアメリカから制裁を受けたことにより、半導体をアメリカから輸入できなくなってしまったので、スマートフォンをアメリカで売れなくなってしまったわけです。

さらに、その他の海外も部品が揃えられないので供給できなくなってしまいました。

実際に2018年5月8日にZTEは中国でのスマホ販売が事実上停止となり、9日には「当社の主要な営業活動を停止している」という文章を発表しました。

当時は倒産がささやかれ、開発中の5G技術についても中止されることが検討されていました。

ZTEの通信事業は、5Gのインフラ整備が進められていますが、インテルやクアルコムなどアメリカ企業の技術がなければ、周辺機器や基地局などを作ることもできません。

そして、ZTEの基地局を採用予定であった、日本のソフトバンクも2018年12月に中国製の基地局をなくす方針を固めています。

ちなみに、ソフトバンクは、北欧の通信機器大手エリクソンとノキアの製品に順次置き換えると発表しています。

もともと、携帯電話というのは特許(パテント)の塊なので、クロスライセンスと呼ばれる、お互いの企業が相手の企業のライセンスを使い合う契約や、特許の使用でなりたってるといわれています。

制裁を受けて、技術輸出禁止も含まれていて製品の生産自体が困難になったZTEでしたが、さすがは国有企業。

2018年に売り上げは、20パーセントほど減少し、赤字になったにもかかわらず、2019年の売り上げは13パーセントほど上昇し、黒字転換することが予想されています。

しかしこの一軒によって、アメリカでビジネスを展開する中国企業にとって、資金調達が困難になったことは言うまでもありません。

そしてアメリカは、ゆっくりと中国を痛めつけはじめたのです。

ファーウェイ(華為技術)

ZTEの次は、ファーウェイについて話していきましょう。

中国で、通信機器最大手のファーウェイですが、同じように苦しい展開になっています。

2018年4月17日、FCC(アメリカ連邦通信委員会)からアメリカ国内の通信会社に対して、「外国企業からの通信機器の調達を禁じる」という発表がされました。

表面上の理由というのは、スパイ活動に利用されるといった安全保障上の問題からで、対象となる企業は未確定という発表でした。

しかし、「ZTEとファーウェイの2社が候補になっている」と声明を出していて、あきらかに中国企業を標的にしています。

バックドア

アメリカ政府は、ZTEや、ファーウェイなどの中国製通信機器には、遠隔操作ができたり、情報流出させるような、「バックドア」と呼ばれる仕掛けがされていると指摘しました。

実は、2012年にはすでにアメリカ議会では国内の企業に対して、ZTEとファーウェイの2社の通信機器を使用しないように要請が出ていました。

しかし新しい規制により、この2つの会社から通信機器の部品の調達自体が禁止されたかたちになりました。

イラン問題

アメリカ司法省は、ファーウェイに対してもアメリカ政府が禁止している、イランへの通信機器の輸出を守らなかった疑いがあるとして、捜査をしています。

ZTEは同じ理由で、莫大な罰金とアメリカ企業との7年間取引禁止という大きな罰を受けたことを考えると、ファーウェイにも同等かそれ以上の制裁が課せられると予想されます。

ファーウェイの世界シェア

ファーウェイは、スマートフォン市場で世界第3位、中国市場では首位の会社です。

2017年度の売上高は6,036億元でZTEの約5.5倍という規模です。

以前から人民解放軍の出身者が設立した会社ということで、軍の関与や情報漏洩のリスクがささやかれていました。

CEOの任正非は、中華人民共和国人民解放軍出身の企業家であり、非上場の民間企業です。

どちらにしても、中国共産党との距離が非常に近いとされています。

カナダでの拘束事件

2018年12月、ファーウェイの設立者で会社の副会長をしている孟晩舟最高財務責任者(CFO)が、米国の依頼でカナダ政府に拘束された事件。

拘束されている理由は、同社がイランの金融に便宜を与えたというものだが、トランプ大統領には全く別の思惑があると言われている。

アメリカの狙い

アメリカは、5Gのシェアを中国にとられてしまうことに危機感をもっていて、ZTEやファーウェイの使用を禁止するということは、5Gのシェアをとられることを阻止するためと考えられます。

アメリカは、どんな手を使ってでも中国に5Gのシェアを取られたくはないんでしょうね。

まとめ

現在の中国の技術の発展というのは、すごい勢いです。

一昔前までは、中国製品は安くて粗悪なものでしたが、今は日本が作るような技術を持ち合わせています。

また、中国企業というのは中国政府という後ろ盾を使って、研究開発などに日本とは比べられないほどの莫大な資金を投入しています。

電化製品であっても、日本とほぼ変わらないクオリティーで、しかも安いということで、中国に進出した日系企業もかなり苦戦しています。

そして、2019年9月から5Gの使用が中国国内で始まります。

アメリカや、日本ではまだ実験段階です。

本当の意味での「先進国」というのは、どこの国になっていくのでしょうか。。。。。。。。。

今後の展開が、楽しみです。

今日も、ブログを読んでいただきありがとございました。