米中貿易戦争

G7で通商交渉成立!なぜ、加盟国もアメリカと交渉しているのか?

こんにちは、セントです。

今回は、G7で日本の安倍首相と、アメリカのトランプ大統領が日米通商交渉が原則的に合意するという発表しました。

2019年9月の、国連総会前に日本とアメリカは署名を目指します、との報道されました。

アメリカ通商代表部(USTR)のライトハイザー代表によると、農業、工業、デジタル分野がカバーされるそうです。

そして、アメリカが日本に課している、自動車の関税は今のところ変更は無いという発表がされました。

さらに、トランプ大統領によると日本は、アメリカ産のトウモロコシを大量に購入することで合意したと発表した。

そもそもなぜ、G7加盟国なのにトランプ大統領になってから、日本はこのような、通商交渉の見直しに迫られているのか?

そこには、米中貿易戦争が背景にあり、トランプ大統領は各国との貿易の見直しをしているからです。

その辺のことを少し詳しく解説していきます。

中国への貿易関税の見直し

世界の経済が成長している背景には、貿易が活発化している点が挙げられます。

リーマンショック以降、世界の貿易の伸び率はかなり低いものでしたが、ここ数年でその低迷も終わりつつあります。

2018年の世界の貿易量は前年比約5%増でした。

貿易量が回復してきたということは、アメリカにとって貿易赤字の国を黒字に転換するために対策をする、いいチャンスであるということです。

そしてアメリカは、中国をターゲットにした貿易戦争を始めたわけです。

貿易戦争の始まり(関税見直し)

アメリカが貿易関税の見直しを始めて、最初に手をつけたのは鉄鋼とアルミニウムでした。

2018年3月8日、トランプ大統領はアメリカ通商拡大法232条に基づき、鉄鋼とアルミニウムに関する輸入制限措置に署名をしました。

そして、2018年3月23日に、アメリカに輸入される鉄鋼に25パーセント、アルミニウムに10パーセントの追加関税を発動しました。

非常に稀な発動だった?

アメリカが、通商拡大法232条発動したのは、1982年リビア産の原油を輸入禁止にしてから、実に36年ぶりとなりました。

36年っていうと日本のバブル時代でしょうか。

これが、米中貿易戦争の始まりとなったわけです。

中国から他の国へ

米中だけが注目されていますが、アメリカは他の国にも関税の見直しを迫っています。

アメリカのお隣、カナダを始めとして、メキシコ、ブラジル、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国は一時的に適用を除外しました。

しかし、いまあげた国は各々が貿易の通商交渉が出来る地域であるし、隣国のカナダやメキシコとは北アメリカ自由貿易協定(NAFTA)の見直しをしています。

そして、2018年3月に米韓FTAは、見直し交渉が成立しました。

FTA(free trade agreement)自由貿易協定

また、EUとのFTAの再交渉も検討されています。

さらに、ブラジルやオーストラリア、アルゼンチンは、もともとアメリカが貿易黒字の状態です。

日本へのトランプ砲

2018年3月23日、アメリカのトランプ大統領は、こんな発言をしています。

『日本はこんなに長い間、アメリカをうまく騙してきたね。そんな日は、もう終わりだよ』と。

日本の投資家たちは、震えあがりましたww

ビジネスマン出身のトランプ大統領ですから、交渉術や、相手へのプレッシャーのかけかた、揺さぶりかたなどは熟知しているはずです。

そして、どうにか日本は2019年8月25日のG7で、話がまとまり、9月には通商交渉が完了する見込みです。

大量のトウモロコシを買ってくれるという、トランプ大統領のツイートがありましたが、どのぐらい買うんでしょうねwww

数字で見る、貿易戦争で中国が狙われる理由(鉄鋼・アルミニウム)

中国の粗鋼生産能力は、世界の約半分をしめています。

そして、明らかな供給超過です(悪質)

世界第二のメキシコであっても、9パーセント程度で、続く日本は、8.5パーセント程度、ドイツ8パーセントと続きます。

中国が、極端に値段を下げて大量に世界中に粗鋼をばらまいているという状態で、他の国の商売ができないレベルになってしまいます。

WTO(世界貿易機関)は、値段を下げさせないために反ダンピング関税も課している状態でした。

それでも足りず、トランプ大統領は、鉄鋼やアルミの追加関税をしたわけです。

そして、明らかにこれは中国を標的にしたものと言えるでしょう。

他の国にも、少し泣いてもらうけど、中国にダメージを与えるよ!ということです。

まとめ

今回は、世界の国々がアメリカと通商交渉の見直しを迫られている理由について解説をしてきました。

すべては、米中貿易戦争が原因であって、アメリカと、中国が、交渉が難航すればするほど、他の国に与えるダメージも大きなものになるのです。

だから、アメリカと中国の通商交渉に対しての、マイナスのニュースが流れると、世界中の為替市場、株式市場、債券、コモディティなどが大きく反応するのです。

今回は、鉄鋼とアルミニウムのことに着目して話をしてきましたが、他にもたくさんの項目があります。

今後も、米中貿易戦争のニュースには注目していきましょう。

今日も、ブログを読んでいただきありがとございました。