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【アリババ】人間点数化ビジネス「芝麻信用(セサミ・クレジット)」とは?

セント

こんにちは、セントです。

今回は、人間に点数をつけるビジネスの話をしていきたいと思います。

そんな中でも、人間の管理の世界最先端といえば、、、笑。

そうです、中国ですね。その中でも、アリババグループの金融である、アント・フィナンシャルの「芝麻信用」を見ていきましょう。

いま世界中で注目されている「芝麻信用」とはどんなものなのでしょうか?

メリットとデメリットとその内容など、詳しく話していきましょう。


芝麻信用とは?

まずはじめに、なんの会社であるか?ということをはっきりさせておきましょう。簡単にいえば、この人は信用できる人間かどうか?を専門に取り扱う会社です。

今の日本では、消費者金融を例に挙げると、お客さんを審査会社に委託して調べたり、独自の審査基準によってお金を貸したりしています。

そういった、信用を点数化して、色々な会社に情報を提供しましょうっていうのがこの、芝麻信用です。

芝麻信用の仕組みは、人間を点数化して信用が高い人には優遇を受けられるようにしています。

その代わりに、個人の情報を管理させてねってことですね。

あとで、優遇なども解説しますね。


スコアリングの詳細

点数は、350点から950点までの間で独自に点数化したものになります。

職業、居住地、などの一般的な個人のプロフィール情報から、保有する金融資産からの信用の度合いや、過去のクレジット履歴といった一般的な審査項目に加えて、SNSなどでつながっている友人のスコアリング情報までもが点数に入ってきます。

月に1回更新されます。

利用者の中には、友人のスコアリングも自分の点数に関係してくるので、点数の低い友人とのSNS上での友達関係を解除するひとまでいるみたいです。

友達関係を解除するのは、少しやりすぎな気もしますが、どうしてそこまで信用の点数化にこだわるかというと、点数によって様々な優遇のサービスを受けられたり、社会的優遇まで受けることができます。


信用スコアの階級分け

  • 350~550点:較差(やや低い)
  • 550~600点:中等(普通)
  • 600~650点:良好(良い)
  • 650~700点:優秀(とても良い)
  • 700~950点:極好(極めて良い)

このように、5段階で階級分けをしています。

特に、600点以上と600点以下の差は大きいです。

例えば、600点以上あればデジタル機器のレンタルサービスや、レンタカー・カーシェアなどにおいて、保証金が不要になったり、さらに上のランクであれば、不動産の賃貸契約の時に敷金が0になったりします。

点数が高ければ高いほど、より高額で保証金を求められるサービスに対しても保証金が不要となったり、社会的優遇という点で見れば、シンガポールや、ルクセンブルク、カナダなどのビザの取得が簡単になります。

また、婚活などのお互いの信用が求められるサービスにおいても、お互いが600点以上などと点数分けされていれば、利用者も安心できるわけです。

このような、信用の点数が、新たな結婚基準になっていくのかもしれませんね。

芝麻信用の読み方

中国語読みをすれば(zhi ma xin yong)です。

無理やり発音を日本語のカタカナにすれば、「ズマシンヨン」ですかね。もともと、芝麻とは、中国ではゴマをさします。

だから、英語圏などのビジネスの世界では「セサミ・クレジット」と呼ばれることもありますね。


名前の由来とは?

なぜ「芝麻(ゴマ)」なのかというと、アントフィナンシャルの井賢棟(ジンシェンドン)CEOのコメントでは次のように説明されています。

ゴマと信用はすごくよく似ているんだ。

見た目は小さいけど、栄養は豊富でとても貴重だよね。

少しずつでも貯め続けると大きなものとなる。

『ゴマ』という言葉を名前につけたのは、『信用とは、その一つひとつが貴重で、蓄積することに意義がある』という考えがあるからです。



芝麻信用の成り立ち

  • 2012年に信用サービス展開のアイデアが醸成
  • 2013年に計画に着手
  • 2014年には法人設立の準備
  • 2015年1月に法人設立とともにサービス開始

2015年1月28日に公開テストを開始して、徐々にユーザーを広げていきました。

2014年6月には、中国国家省は「社会信用制度の構築に向けた計画概要」を発表して、2020年までに中国国内で「社会信用制度」を構築することを公表しました。

政府の後押しもあって、急激に大きく発展しています。

芝麻信用のユーザー層

  • クレジットカード申請をしたことがない層
  • 学生
  • 賃金労働者
  • 個人事業主
  • フリーランス

中国は銀行口座を持たない国民が世界で最も多く、中国国民のうち2億人以上の成人(15歳以上)が銀行口座を保有していません。

このような人は、芝麻信用を利用することで、高い金利に苦しむことなく、お金を借りることができるようになりました。

芝麻信用の点数で測定できる「信用」とは?

信用には、3つの要素があります。

  • 誠実度:道徳的な意味での信用
  • 法令遵守度:社会規範に対する信用
  • 契約履行度:債務の履行などの経済的信用

その中でも、芝麻信用では、3つ目の「契約履行度(経済的信用性)」のみを点数化することにしました。

その理由は、「契約履行度(経済的信用性)」は、データ化が可能で分析でることと、予測性も比較的高いからです。

道徳的というのは数値化しにくく、制度や法律は「いいこと」をしても罰せられることもあるので、数値化には入れないそうです。

芝麻信用のセキュリティ

芝麻信用は、情報セキュリティは生命線だと発表していて、2016年4月には、英国規格協会の評価認証に合格し、中国の信用調査機関としては初めて、

情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格(ISO270001:2013)

を取得しました。

個人情報を扱うからこそ、このようにセキュリティ面への配慮も欠かせない。

中国人民銀行からの評価は?

中国政府から補助金を出してもらっていはいるが、中国人民銀行は、芝麻信用を含め、8社すべてに対していまだに「許可証」を出していません。

これには、簡単な理由があって中国政府に個人情報を筒抜けにするのを、各社が拒んでいるためだと言われています。

今後どのような発達をしていくか、楽しみですね。

まとめ

日本でも、みずほ銀行とソフトバンクが、2017年9月にAIを用いたスコアリングによる融資サービス「Jスコア」を開始しています。

しかし、日本はスコアリングに関しては、中国よりも5年ほど遅れを取っていると言われています。

そして、個人情報を詳しく入力すれば、するほど点数が上がりやすいシステムを採用していて、信用とはまだまだ程遠い感じもしますね。

AIや5G技術が発達して、コンピュータに全ての個人情報を管理されてそれが、信用になっていく日も近いでしょうね。

それが、当たり前になっていくんでしょうか?

楽しみですね。

今日も、ブログを読んでいただきありがとうございました。