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【投資初心者】米中合意のウラで、日米貿易協定開始!内容とは?解説

セント

こんにちは、Centです。

今回は、米中貿易協定のニュースばかりがフォーカスされがちですが、日米貿易協定が2020年1月1日から開始された件についても触れておかなければいけません。

私たちの生活に、直接関わることですからこの協定について確認していきましょう。

そして日本にとって、どのような影響があるか深掘りして解説していきたいと思います。

ニュースを知れば、投資が楽になる。

それでは今日も学んでいきましょう。



日米貿易協定の内容とは?

日米貿易協定が、2020年1月1日に開始しました。

日本側は、牛肉などアメリカ産農産品の関税を引き下げるのが主な内容です。

日本国内の消費者にとっては、食品の価格が低下することになるので、恩恵があると言われています。

しかしながら、生産者からは輸入増加に対する不安の声があります。

アメリカからの食品の価格が低下するという事は、国産の食品との価格のバランスが崩れてしまうことになります。

だから国内の生産者の商品は、売れなくなる方向に力が加わってしまうためです。

一方で、米国側は工業製品を中心に関税を引き下げる予定ですが、自動車・同部品への関税の撤廃は先送りされてしまいました。



どのくらいまで関税は下がるのか?

米国産農産品への関税は、11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)並みの水準に引き下げられます。

TPPとは?

TPP(環太平洋経済連携協定)と言います。

基本的には、国境を越えた経済活動をスムーズにするための必要なルールを決めることです。

関税撤廃、削減に関しても話し合われています。

そうなると、TPPの存在価値自体が疑問視されてしまうような水準ですよね?

それも大問題なんですが、どのぐらいの水準になるのでしょうか?

牛肉

2020年1月1日
38.5%→26.6%

その後も段階的に引き下げ、

2033年度
9%まで下がる予定です

豚肉

低価格品の関税を、
1キロあたり482円
から
27年度50円まで下げる

その他

ナチュラルチーズの一部やワインなどの関税は将来撤廃する予定です。

こうやって見てみると、価格競争によって日本の企業も商品の値段を下げなければいけなくなるので、日本の生産者はどんどん苦しい経営になっていくことが明らかです。

日本企業にとっては、貿易関係の会社は儲かりやすくなる一方で、内需の企業にとってはマイナスに作用するでしょう。

日米貿易協定によって、内需系の企業や、国内の生産者は苦しくなる





アメリカ側の貿易協定の内容

アメリカ側は日本の工作機械や燃料電池など工業品の関税を削減・撤廃する。

さらには、日本産牛肉の低関税輸入枠を大幅に拡大し、日本にとっては輸出拡大が期待される

しかし、日本の対米輸出額の約30%を占める自動車と同部品への関税撤廃は先送りされしまいました。

だから、すべての工業品の関税撤廃で合意したTPPと比べると、日本側のメリットはかなり少ないと言えるでしょう。



日本とアメリカの協定は不公平?

日本政府発表
貿易額ベースの関税撤廃率


米国側92%、日本側84%

えっ?じゃあ、日本の方が金額ベースで言えば日本の方が得をしてるんじゃないの?という風に見えますが、、、

ちょっと待ってください。

これは、あくまでも全ての合意が開始された場合という、条件付きです。



どういうこと?日本は不利なの?

アメリカは、日本産の自動車や、それに関わる部品等に関しては、関税引き下げの先送りをしていることが、日本を圧倒的不利にしています。

なぜならば、日本産自動車やそれに関わる部品を除くと米国の撤廃率は実質的に60%程度になってしまうのです。

これは、90%程度の関税撤廃率を求める世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する可能性がある水準なんです。

日本政府は今後、自動車関税についてアメリカ側と協議するとしていますが、トランプ大統領は2020年11月に大統領選を控えていて、交渉再開の見通しはまだ立っていないのが実際のところです。

追記:2021年1月

結局トランプ大統領から、バイデン大統領になるため、追加の話は無しの状態。

日本政府が、アメリカ側とこの件について話し合い、クリアになるまでいったいどのぐらいの時間のかかるのでしょうか?

今のところ、誰にもわかりません。。。

日本はアメリカと良い関係を今後も築いていきたいと思っているので、あまり強く言えないのが本音です。



この合意の規模はどのぐらいなの?

日米貿易協定はどのぐらいの規模になるかというと、TPP、日・欧州連合(EU)経済連携協定に続く大型の貿易協定です。

そして、日本政府は、日米協定発効による国内農業生産の減少額を最大で約1100億円くらいになるだろうと試算しています。

国内農業生産者は、1100億円分、商売が苦しくなるってことですね。

ますます農家の不安は強くなってしまっていますが、2019年度の補正予算案に3250億円を計上するなどして、農家支援を強化しようとしています。



まとめ

今回は、【投資初心者】米中合意のウラで、日米貿易協定開始!内容とは?解説!と言うテーマで話をしてきました。

日本も段階的に関税の引き下げなどをしていきますが、自動車関係の税金を減らす合意をしない限り、日本はずっと不利な状態が続きます。

これは、アメリカの予定通りだったのかもしれませんね。

日米貿易協定は、こんな感じです。

このブログが、少しでも、あなたの投資の利益につながっていくことを望んでいます。

今日も、ありがとうございました。