こんにちは、Centです。
今回は、アメリカ軍がイラクの首都バグダッドで、イランの精鋭部隊、革命防衛隊の司令官が攻撃を受けて死亡した事件について、なぜそうなったのか?と相場に与える影響について考えていきたいと思います。
2020年新年早々に、穏やかではない事件の速報が入ってきましたね。
イラクの首都バグダッドの国際空港で3日未明に起きた攻撃で、米国防総省は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官の殺害を命じたことを明らかにした。
AFPより
ん!?イラクの空港でイラン人の殺害。
殺人なんてのは、良い気分じゃないですよね。。。
そもそも、アメリカは、なぜイラクを攻撃しているのか?わからない人もいると思うので、その辺りを深掘りして、それがどのように相場に影響していくのか?についても解説していきましょう。
注意点ですが、相場は今回の事件だけに影響するわけではないので、最終的には、総合的に判断して投資に生かしていきましょう。
それでは、今日も勉強していきましょう。
アメリカVSイラン
イランは、今はアメリカと対立しているけど、実は、その昔は親米の王朝だったんですよ!
でも、アメリカがイランの親米政権を利用して、原油の利権を確保しようとしていたんです。
そりゃぁ、イランの国民の間で不満が高まるのは当然で、親米政権が倒されたんですね。
これが、1979年の「イラン・イスラム革命」
中東の中で、最もアメリカに近いとも言われていた国が、この革命によって全部ひっくり返ってしまったんです。
例えると、日本が物凄い反米国家になるみたいな感じですかね。。。
これが、決定的な原点だと言われていますね。
そりゃあ、関係が良いとはいえ、外国が原油の利権を持っていこうとするわけですから怒るのは当たり前のことですよね。。。
ほかにもいろいろ絡んでたんでしょうが、昔からアメリカのやり方は、強引で理不尽なものが多いとも言われています。
反アメリカによって起きた事件
同じく1979年に「アメリカ大使館占拠事件」がありました。
突然ですが「アルゴ」って映画を見た事はありますか?
見たことがない人は、一度見てみるといいかもしれません。
後ほど詳細を載せておきますね。
実際にあった話を、簡単に説明すると、イランの首都テヘランには各国の大使館がありますね。
大使館は、その国の政府を代表する存在です。
イスラム革命が起きて、反米国家になったイランで、新しい体制のトップになった最高指導者を熱狂的に慕う若者たちが、「我々の敵アメリカを倒せ」とアメリカ大使館に突入したんです。
そして大使館員たちを人質にとって、アメリカ大使館を占拠した事件でした。
人質とされる前に、大使館員や警備員は、機密情報を書いた書類などを全てシュレッダーにかけることに成功しました。
しかし、イラン当局によって動員された主婦や子供たちの手によって、シュレッダーの復元に成功し、機密情報がイラン政府に渡ってしまうことになりました。
主婦や子供たちも手伝うくらい、イラン全体が反アメリカ一色に染まっていたことがわかります。
しかも人質にとっていた「期間」がまた凄いんです。
なんと、1年以上の、444日間もアメリカ大使館を占拠していたのです
その間に、アメリカ側は、救出作戦をしようと試みたんですが、それは失敗してしまったんです。
当時の、「アメリカのカーター大統領」は、それがもとで次の大統領選挙に勝てなかったと言われているくらいです。
すごく衝撃的な事件で、連日アメリカのテレビではその様子が流されたみたいですね。
イランはその後、「アメリカというのは大悪魔だ」と言うようになるし、アメリカは「イランは世界のテロリストの親玉みたいな存在だ」というふうに呼ぶんです。
アメリカのブッシュ大統領は、イランとイラクと北朝鮮を名指しして、世界の悪の枢軸がその3か国だと発言したこともありました。
- イランは親米だった
- アメリカが石油の権利を占領しようとした
- イランは反米になった
- アメリカ大使館占領事件
脱出計画の依頼を受けたアメリカ中央情報局(CIA)が、人質をカナダから派遣された農業調査員や映画の撮影スタッフに偽装させて脱出させる計画を立案した。
最終的に『アルゴ』という架空の映画のカナダ人の映画撮影スタッフに変装させて、テヘランから脱出させる作戦を実行に移した(カナダの策謀)。
作戦の計画と実行の一部始終は、2012年に『アルゴ』という題名でベン・アフレックにより映画化され、第85回アカデミー賞において作品賞など3部門を受賞している。
映画も、「こんなことがあったんだ」と知識があってから見ると、一味も二味も変わってきますよ☺️
この流れが、最初の発端です。
さらに、現代に近い話をしていきましょう。
補足:アメリカの入国制限
大使館の事件のあと約40年間も、イランとアメリカは国交を断絶しています。
アメリカへの入国をスムーズにする、ESTA電子渡航認証システム、「ESTA」の注意事項にこんなことがか書かれているのは知ってますか?
日本を含むビザ免除プログラム参加国の国籍の方で、2011年3月1日以降にイラク、イラン、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメン、北朝鮮に渡航した方はESTAを利用できません。
これくらいピリピリして、基本的にずっと対立してるんですよねぇ。。。
これらの国に、旅行に行ってしまうと、アメリカには自由に入れなくなるので、注意が必要です。。。
問題なく入れるとは思うんですが、入国拒否をされても文句は言えないってことですね。
話を戻しますね!
イラン核開発問題
2002年には、今度は、イランが核兵器を開発しているんじゃないかという疑惑が浮上したんですよね。
実際に、核施設はありました。
でもイランは、核兵器のためじゃなく、あくまで原子力発電所の核燃料をつくるための施設で、平和目的だと主張した。
だけど、イランが仮に核兵器を持つと、イランと対立してる周辺の国が「オレたちも核を持つ」となるかもしれない。
そうなると大混乱になっちゃいますよね。。
そこでアメリカは、イランに経済的な制裁をすることにしたんです。
イランは、原油などの豊富な天然資源を輸出して稼いでいますが、その天然資源を輸出できないようにしました。
もしも、日本がイランから原油を買ったら、日本にも制裁を課すというのがアメリカの制裁なんですよ。
アメリカは、大きな国でやっぱり強いから、ほとんどの国は逆らえないわけですよね。
アメリカが強力な制裁をしたので、イランの経済は、ものすごく落ち込んでいきました。
2011年から2014年、いちばん厳しい時期で、1年間で通貨価値が3分の1になってしまいました。
簡単に言うと、今まで100円だったジュースが翌年には300円になってしまうってことです。
もちろん、10万円の家賃に住んでいた人は、翌年の家賃は30万円です。。
恐ろしいくらいに、経済が混乱していたのがわかりますよね。
物価が上がって、経済が一気に落ち込んで、国民の不満がさらにたまっていったし、それだけじゃなくて、海外からいろいろな物資が入ってこなくなって、モノ不足にも陥ってしまったのです。
ちなみにこれは、いま現在も続いている話ですよ。。。
オバマ政権では歩み寄りも・・・
そういった対立の中で、2009年に、アメリカでオバマ政権が発足しました。
中東は世界のエネルギー源で、大事な地域なので、なんとか安定してもらいたいと考えました。
それで、オバマ大統領はイランと交渉を始めて、そして2015年「イラン核合意」に至った。
イランは核開発を大幅に制限する。その見返りに、これまでの経済制裁を解除しますよというものですね。
イランがこのままでは核兵器を持つかもしれない、もしかしたら中東で戦争が起こるかもしれないと、戦争1歩手前だった状況を救ったとされる合意だった。
歴史的な合意だったのです!
トランプ大統領
イラン核合意は、オバマ大統領の政治的な大きな遺産と言われていました。
核合意は、イランと欧米の国々、ロシア、中国という世界の主要な国が結んだ国際的な合意だった
ただ、アメリカと関係が近いイスラエルやサウジアラビアは、“この合意はイランばかりが得をする”として反発していたんんです。
そりゃそうですよね、今までたくさんの資源を売っていた国々が、イランからも購入するとなると、資源の価格の下落、顧客の分散などによって、損しかないですからね。
アメリカ国内の保守派からも不評だったのです。
ただ、イランはその合意を守っていて、それはアメリカも認めていたんだけど、トランプ大統領は“合意は欠陥だらけだ”って、ほぼ一方的に離脱したんです。
反発しますよね。ピリつきますよね。
さらにアメリカは、核合意から離脱したからという事で、またイランに制裁を始めたんです。
トランプ大統領は「史上最強の制裁」って名付けて、ものすごい勢いで制裁を始めたわけなんです。
後からわかることなんですが、2019年には、イランがウランの濃縮をおこなっていたことが発覚しました。(ウランの濃縮は、核兵器の材料)
アメリカは、事前にそのような情報をキャッチしていたから、経済制裁をしたのか?または、アメリカが合意を無視してまた、経済制裁をしてきたから、じゃぁ俺たちもと作ったのか?
正直なところは、わかりません。
アメリカはさらに、原子力空母とか爆撃機とかをイランの周辺に展開し始めて「手を出すならやってみろ」という感じで威嚇を始めたんです。
イランも「ちょっと待てよ」となりますよね。
「イランは核合意を守ってたのに、勝手に合意から離脱したのはアメリカじゃないか」と。
イランの今の大統領は、もともと穏健派なんです。
しかし、核合意がだめになったせいで、「アメリカは信用ならない」「アメリカに対して強く出るべきだ」という強硬派の意見も出てきています。
そうなると、イランもやっぱり強く出ざるをえなくなってきているわけなんですよ。
両国とも強硬派と強硬派の勢力が強まってきている状態です。
何だか危険な匂いがしますよね。。。
イランは軍事力や技術力はあるの?
アメリカの方が圧倒的ではあるけれど、イランもやっぱり大国で、中東有数の軍事力も持っています。
お互い緊張状態にある中で、偶発的な事故から一気に戦争に拡大するかもしれない。それが非常に危惧されています。
9.11とISISの存在
もう説明するほどでもないですが、テロ組織集団ISISは、アメリカに対して敵対心を持っている集団です。
2001年の、アメリカ同時多発テロ事件のあったことがアメリカの考えを硬くしているのかもしてません。
アメリカ合衆国と有志連合はアルカイダやアルカイダに支援を行った国への報復を宣言し、アフガニスタン紛争、イラク戦争に繋がった。
さらにこれらの戦争によって不安定化した中東では、シリア内戦やISIL等のイスラム過激派の台頭、アメリカ合衆国とイランの関係が緊迫するなどの事態が発生した。
そこに、支援をしていたのが、イランではないか?と言われています。
打倒アメリカに、燃えているわけですね。。。
相場への影響
まず考えられるのは、原油市場への影響です。
実際に、今回の事態を受けて原油価格が急上昇しました。
このうちロンドン市場では北海産の原油の先物価格が一時1バレル=69ドル台前半とアメリカによる攻撃の前に比べて4%以上高くなりました。
またニューヨーク市場のWTIの先物価格も、一時1バレル=64ドル台前半とこちらも4%以上大幅な値上がりを記録しました。
その後も原油価格はロンドン市場、ニューヨーク市場とも高止まりしています。
中東地域の緊張が一気に高まれば、この地域での原油供給量が大きな影響を受けるのではないかという懸念から価格が高騰しているのです。
そして、地政学リスクが膨らむと買われるのが、金と日本円です。
だから、この報道がされるたび、また緊張関係が悪化するたびに、金価格は上昇しやすくなるし、円高に触れる可能性が出てきます。
そして、円高から導かれるのは、日本の株安に繋がっていきます。
戦争状態などになったら、世界的な株価の暴落も考えておかなければなりません。
原油価格の高騰は、世界の経済に大きなダメージになりますので、気をつけて相場に望まなくてはなりません。
そろそろ暴落がくるか?と言われていましたが、これが引き金になるかも知れませんね。。。
暴落の前には、、、
米国経済の過去5回の景気後退のうち、4回の景気後退の直前に原油価格が急騰したというデータがあります。
それだけ、原油価格の高騰というのは、世界経済に与えるダメージも大きいわけです。
原油の動きにも注目していきましょうね!
まとめ
アメリカ軍のイラン司令官殺害で、相場にどんな影響が出るのか?考えてみよう。と言うテーマで話をしてきました。
どうでしたか?
もう何十年もの間、イランとアメリカの争いは続いているんですね。
もともとアメリカが、イランの石油の権利を奪おうとしたところから始まっているのを考えると、少し複雑な気持ちにもなりますが、実際に奪っていないわけですから、この辺で落ち着いてほしい気持ちもあります。
いずれにせよ、世界的に緊張感が高まってきているので、株式投資などをしている人は、常に暴落に備えるようなポジションの取り方をしていくべきだと思います。
あなたの、投資のヒントになることを願っています。
今日も読んでいただいてありがとうございました。
またお会いしましょう。