こんにちは、Centです。
今回は、2019年の中国の経済指標が発表されました。
発表された数字は、予想よりも良い数字でしたが、中国が抱える問題について今日は話していこうと思います。
GDPの数字から、考えてみる
中国国家統計局の発表によると、19年の実質GDP成長率は前年比6.1%と、18年の6.7%を下回りました。
ちなみに、この数字というのは、天安門事件の翌年に当たる1990年以来、29年ぶりの低水準となりました。
それでも、政府目標の「6.0-6.5%前後」を無事にクリアしました。
20年の長期目標の達成に向けて、ひとまず安定成長を確保した格好になったわけです。
これには、米中摩擦の緩和や景気対策の効果がプラスに働き、月別では11月、12月の回復傾向がみられました。
特に、12月の最新指標は市場予想を上振れしていて、鉱工業生産は18年3月以来の高い伸びになりました。
こうした回復基調が20年も続くかが、ポイントになりそうですね。
人口ボーナスによる伸び率
米中対立の長期化に加え、日本と同じように「人口減と急速な高齢化」が中国経済にとっての最大のリスク要因になりつつあります。
国家統計局は、経済指標と同時に人口統計を発表したんですが、これがかなり衝撃的な内容だったんです。。。
経済指標よりも、大きな注目を集めたんです。
人口ボーナスが消失してしまうということは、今後長期的に中国経済の足かせになる可能性が高いですね。
すでに人口危機に陥っているといっても、良いのかもしれませんね。
20年のGDP成長予想は5.9%
政府機関や民間エコノミストらが発表した20年のGDP成長予想をみてみました。
ほとんどのコンセンサス予想は、前年比5.7-6.0%の範囲に集中していて、ロイター社が集計した最新のコンセンサス予想は「5.9%」となっています。
米中摩擦の緩和を目指した動きを受けて、やや楽観ムードになっています。
中国国際金融は、20年予想を5.9%から6.1%に上方修正した。
- 米中合意から、輸出の緩やかな持ち直し
- 地方特別債の発行を受けたインフラ投資の加速
- 住宅実需が堅調
対照的に、中原銀行はかなり慎重な見解を発表しています。
20年の景気下押し圧力を指摘した上で、5.8-6%への成長減速を見込んでいます。
- 不動産投資と民間投資の投資伸び率の鈍化
- 自動車消費、不動産関連消費の低調
- 経済成長を維持する上での負債依存度の高まり
- 消費者物価の高進と生産者物価の下落
- 米中摩擦の長期化
- 世界的な貿易・投資・金融リスク
- 地政学リスク
最新の指標の結果をみてみよう
19年1-12月に前年同期比5.4%増と、1-11月の5.2%増から加速。
インフラ投資や不動産投資が減速しているが、主に製造業投資の持ち直しが全体の伸びを支えた。
12月に、市場予想を上回る8.0%増となりました。
19年通年でも、8.0%増になっていて、消費は中国経済の成長を引っ張っていて、19年のGDP成長への貢献度は引き続き約6割になりました。
12月に6.9%増と、18年3月以来の高い伸びを記録した。通年では5.7%増。
出生率は建国以来最大の少なさで、ヤバい
人口統計は、これまで成長強みになってきた、「人口ボーナス」の消失を改めて意識させられる内容でした。
19年の1人当たりGDP(1万276米ドル)が初めて1万米ドルの大台を突破したことで、中国政府は「人類の経済社会発展における重大な進歩」と自賛しました。
しかし、同時に労働人口の減少や人口減、急速な高齢化という問題に直面していることが、明らかになってきている。
中国本土の総人口は19年末に14億5万人と、14億の大台に乗せたんです。
とはいえ、19年の年間出生数は1465万人と、1500万人の大台を割れてしまったんです。
出生率は10.48%(人口1000人当たりの出生数が10.48人)と、前年の10.94%を下回り、1949年の建国以来の最低を記録しました。
一人っ子政策の廃止
政府はすでに一人っ子政策を廃止し、2人目出産を認めています。
しかし、一人っ子世代の出産可能年齢の女性人口が減っているのに加えて、育児コストの高騰しているので、少子化に歯止めがかからない状態が続いています。
出生数が3000万人弱を記録した1963年生まれが、2023年には退職年齢の60歳になり、人口高齢化が加速度的に進むと予想されています。
中国政府の考え
中国当局は、労働年齢人口の総人口比は先進諸国より高く、労働力総量の供給は充足していると考えています。
しかし、『フィナンシャル・タイムズ』紙は四川省の企業353社のうち58%が「採用難」を訴えたとするアンケート結果を伝えています。
中国政府の発表とは裏腹に、一部地域ではすでに若年層を中心とした人手不足が深刻化し始めている可能性もある。
まとめ
今回は、中国の指標を見て29年ぶりの低成長だったので、今の中国の問題をまとめてみました。
90年代以来の出生数低下が、景気減速の大きなきっかけになってくるでしょう。
出生率の低下で、人口が減り始めた国は、私たち日本を見てわかるように、この30年は、ほとんど経済が伸びていません。
むしろ、平均の給料が下がっているくらい、経済が低迷していると言っても過言ではありません。
今現在、中国では出生数の回復は期待しにくく、中国政府としてはこの先、一連の景気対策とともに、少子化対策の強化が不可欠となっていくでしょう。
中国経済が、すぐに低迷するとは言いませんが、高齢化社会は必ず中国経済に大きな影響を与えてくるでしょう。
そして、世界中の企業が今は、人口増加の著しい「インド」に投資先が変わってきていっている事も、すごく気になるところです。
影響力のある国の、経済の問題を見れば、投資がしやすくなります。
あなたの投資に、少しでも役に立ちますように。。。
それでは、またお会いしましょう。