こんにちは、Centです。
今回は、これからの世界を大きく変える百度の「アポロ計画について」の完全解説をしていきます。
2020年相場が乱高下する中、中国企業のビジネスの動きが加速して活発化してきています。
その中でも、やはり中国企業BIG4の積極的な強気経営の凄さは目を見張ります。
- 百度(Baidu/バイドゥ)
- 阿里巴巴(Alibaba/アリババ)
- 腾讯(Tencent/テンセント)
- 新浪(Sina/シナ)
そして、今日はBIG4の一角、百度の「アポロ計画」にスポットを当てて、話をしていこうと思います。
中国企業だからと言って、日本の投資家も無視はできない状況です。
なぜなら、海外の錚々(そうそう)たるメンバーがこの計画に出資をしています。
アポロ計画といっても、月に行くわけではありませんw
今回は、出来るだけかみ砕いて、説明します。
中国BIG4のうち、百度以外の会社については、記事の最後で簡単に紹介させていただきますね。
それでは、今日もおつきあいくださいね。
百度(Baidu/バイドゥ)とは?

最初の事業:検索エンジン
代表的なサービス:百度検索(中国版のGoogleやYahoo!)
なんと、最初の海外拠点は日本でした。しかし検索エンジン事業は2015年3月の時点で日本から撤退しています。
しかし、バイドゥは日本市場を諦めたわけではありません。スマートフォンの日本語入力アプリ「simeji」が好調です。

百度の沿革
バイドゥは2000年1月、現会長兼CEO(最高経営責任者)を務める李彦宏(り・げんこう、英名ロビン・リー)氏が北京で創業しました。
検索技術を大手ポータルサイトへ提供する事業から始まり、2001年に自社の検索サービス「Baidu.com」 のBeta(ベータ)版をスタート。
その後正式スタートし、音楽ファイル検索や画像検索、地図検索などさまざまなサービスを展開していて、現在では中国において70%を超える市場シェアを獲得している。
世界では、検索最大手の米グーグルに次ぐ2位の規模に成長しています。
2005年にNASDAQに上場を果たし、2006年には日本法人「バイドゥ株式会社」も設立。
中国を代表する会社だけど、NY証券取引所に上場しているんだよ❕
日本法人は、中国向けWebマーケティングや各種アプリの配信などを行っています。
自動運転分野では、AI(人工知能)技術の革新を目指す中国政府バックアップを受けていて、政府が重点分野に掲げる自動運転、スマートシティ、医療、音声認識の4分野のうち、自動運転のリーダー企業としてバイドゥが選ばれています。
2017年4月には、自動運転車向けのソフトウェアプラットフォームをオープンソース化するプロジェクト「Project Apollo(阿波羅)=アポロ計画」を発表し、自動運転分野に本格的に参入しました。
百度の自動運転の取り組みまとめ

アポロ計画の概要
自動運転車向けのソフトウェアプラットフォームをオープンソース化するプロジェクト「Project Apollo(阿波羅)=アポロ計画」は、2017年4月の発表後から、続々とパートナー企業が集まってきていて、2018年7月の正式始動を経て着々と事業が進んでいます。
「アポロ」とは、バイドゥが名付けたAIで、自動運転を制御するソフトウェアの技術情報を共有するサービスです。
情報の共有によって、深層学習アルゴリズムが自分で学習する機能を持っているので、情報が集まれば集まるほど、より進化していくことになります。
現在オープンソースとして公開しているのは、次の4つです
- ソフトウェアプラットフォーム
- ハードウェア開発プラットフォーム
- クラウドサービスプラットフォーム
- ターンキーソリューション
オープンソースというのは、誰でも共有して使っていいですよ!ということです。
みんなが使えば使うほど、情報やデータが集まりより強力なシステムを構築できるようになるということです。
超かっこいいから、百度のアポロ計画のHP見てみて❕
参加を表明している会社(一部抜粋)
簡単に見てもらえばわかりますが、世界中の有名企業がバイドゥのアポロ計画にさんかしています。
- 第一汽車・北京汽車・長安汽車・東風汽車・長城汽車・奇瑞汽車・江淮汽車
- フォルクスワーゲンの中国法人
- BMW
- ダイムラー
- ホンダ
- トヨタ
- スウェーデン・ボルボ
- アメリカ・フォード
- 韓国・現代
- イギリス・ジャガーランドローバー
- ドイツ・ボッシュ
- コンチネンタル
- ZF
- フランス・ヴァレオ
- アメリカ・エヌビディア
- マイクロソフト
- インテル
- ベロダインライダー
3年でここまで来た!

中国の自動運転技術開発は、従来の自動車メーカーではなくIT大手やテック企業により主導される傾向にあります。
わずか3年間で「レベル4(一定条件下で全ての操作を自動で行い、ドライバーは関与しない)」 の自動走行が可能になる技術体系をすでに確立しています。
レベル0
ドライバーがすべてを操作
レベル1
システムがステアリング操作、加減速のどちらかをサポート
レベル2
システムがステアリング操作、加減速のどちらもサポート
レベル3
特定の場所でシステムが全てを操作、緊急時はドライバーが操作
レベル4
特定の場所でシステムが全てを操作
レベル5
場所の限定なくシステムが全てを操作
なんと、2021年には自動運転車の量産を開始する計画をしているというから驚きです。
何故中国?補足
3年でレベル4というのは、驚異的な速さで他の世界中の自動運転の最先端です。
これには、環境が関係していて、日本やほかの先進国では街一つを自動運転専用になんてできません。
(人が普通に暮らしているところにですよw)
安全面が必ず問題になってくるからです。
しかし、中国は中国政府が自動運転の開発を後押ししていることもあって、このようなことが可能なんです。
中国の新聞には度々、自動運転車の誤作動で人が轢かれたなんて記事を目にします。
日本では考えられませんが、それが中国が世界の最先端をいく最大の理由です。
アポロファンド(Apollo Fund)
スタートアップ支援で開発促進
自動運転技術を促進するために、2017年9月に自動運転事業向けファンド「アポロファンド」の設立を発表しました。
基金の総額は100億人民元(約1650億円)を超え、3年間でスタートアップをはじめとした100以上のプロジェクトに投資をしています。
AI技術などの中国スタートアップの勢いは凄まじく、世界への展開を広げていっていますが、それを支えているのが資金調達のしやすさだ。
中国はベンチャーキャピタル以外にもバイドゥをはじめテンセント、アリババなどの上場企業が積極投資を行っていて、潤沢な資金がスピード感ある開発を促進している。
ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。
日本での動き:SBドライブが「アポロン」導入
バイドゥは日本進出も視野に入れています。
2018年7月に、ソフトバンクグループのSBドライブ株式会社とバイドゥ株式会社が、アポロを搭載した自動運転バス「Apolong(アポロン)」の日本での活用に向け協業することを発表しました。
アポロンは中国のバス車両メーカー「金龍客車」が開発・製造していて、ハンドル・アクセル・ブレーキのない自動運転レベル4相当の技術を搭載しているという。
アポロンとSBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」と連携させるなど日本で活用するための仕様変更などを進め、すでに実証実験用車両を含めて10台のアポロンを日本に持ち込んでいる。
金龍客車や第一汽車が製造
バス車両メーカー「金龍客車」が自動運転バスの量産化を、すでに開始している。
バイドゥが開発した自動運転システムを搭載した初のハンドル・アクセル・ブレーキがない自動運転バスです。
主に観光地や空港などの半閉鎖・完全閉鎖エリアで導入し、走行速度は時速20~40キロメートルに制限しています。
技術や法規、インフラ、コストなどさまざまな問題を解決しながら、いずれは路線バスや観光バス、市バスなど一般道路まで応用範囲を拡大する計画となっています。
また、中国大手自動車メーカーの第一汽車集団有限公司(FAW)と共同でレベル4クラスの自動運転車を開発し、2020年末ごろから量産に乗り出すことも報じられている。
いやぁ、自動運転で寝たまま目的地に行ける日も、そう遠くはないかもしれませんね。
中国「BATS」
「BATS」とは、百度(Baidu/バイドゥ)、阿里巴巴(Alibaba/アリババ)、腾讯(Tencent/テンセント)、新浪(Sina/シナ)の頭文字を取ったものです。「BATS」は中国SNS・EC市場で、それぞれ数億規模のユーザーを有しています。
それぞれの会社の最初の事業と、元々の代表的なサービスは以下の通りです。「BATS」の日本との関わりについても触れています。
阿里巴巴(Alibaba/アリババ)
最初の事業:EC
代表的なサービス:タオバオ(中国版AMAZON)
アリババの創業者兼会長のジャック・マー氏は日本のソフトバンクとの関係が深いんです。ソフトバンクの孫正義氏から200万ドル(約2億円)の投資を受け、これを契機にアリババはビジネスを大きく拡大することに成功。ソフトバンクはアリババの筆頭株主であると同時に、ジャック・マー氏も社外取締役としてソフトバンクの経営に参画しています。
腾讯(Tencent/テンセント)
最初の事業:メッセンジャー
代表的なサービス:QQ(中国版LINE)
2015年7月にテンセントが提供する決済サービスが本格導入されることが決定しました。その名も「WeChat Payment」。購入の際に、店舗に設定されているタブレットのQRコードをWeChat(テンセント社のインスタントメッセンジャーアプリ)をダウンロードしたスマートフォンで読み取るだけで決済可能です。QRコードを用いた決済サービスが日本に初進出したことになります。日本の街中でも見かけるようになりましたね。
新浪(Sina/シナ)
最初の事業:ウェブメディア
代表的なサービス:sina.com(中国版Twitter)
シナのグループ企業が日本のアライドアーキテクツ株式会社と2016年4月に国内初の販売代理契約を締結しました。これにより、Weibo(中国版Twitter)のインフルエンサーを活用した世界唯一の広告配信プラットフォームのサービスを日本企業に向けて、提供を開始しています。
まとめ
今回は、バウドゥの「アポロ計画」についての話をしてきました。
今の中国は、はっきり言って日本とはビジネス環境が全く違います。
ビジネスの自由度、資金調達力、技術開発のスピードと世界をけん引していく環境が整っています。
しかし、コロナウイルスの蔓延のようなチャイナリスクというのは正直ぬぐい切れません。
「信用」の面ではまだまだの中国ですが、これからも中国の躍進は止まりません。
事実、話してきたように、世界の大企業が中国に対してたくさん投資をしています。
今後、少なからず自動運転における業界では、バイドゥが大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。
中国企業が目指すのも、日本の企業が目指すのもテーマは「スマートシティ」です!
トヨタとNTTの資本提携もスマートシティです。
あなたも興味を持ったら、中国企業に投資してみるのも面白いかもしれませんよ。
長い記事になりましたが、今日も読んでいただいてありがとうございました。