こんにちは、Centです。
今回は、さや取りについて話をしていきたいと思います。
どうして今回、「さや取り」についての話をするかというと、コロナショックなどで相場が大きく暴落してしまったときも、比較的安全な投資方法はないか?と言う質問が多かったからです。
私は、基本的に「さや取り」の考え方をベースにして株式投資をしています。
多くの人にとっては、さや取りと言う言葉はあまり聞き慣れない言葉だと思います。
まずは、さや取りの基本的な考え方を話していきたいと思います。
それでは、今日もお付き合い下さいね。
2銘柄の株価の差(鞘さや)を利用して儲ける方法
一般的な株式投資では、ある銘柄の株価が安くなったときに買って、高くなったら売ることで利益を出します。
または反対に、高くなったら売って、安くなったときに買い戻すという空売りなんて手法もあります。
さや取りでは、2つ以上の銘柄を組み合わせて利益を狙っていく方法です。
2つ以上と書きましたが、基本的には2つです。
株価の動きがよく似ている2つの銘柄をまず選んで、2銘柄の株価の差を狙う手法です。
2つの銘柄の株価の差のことを、「鞘さや」と呼びます。
株価の動きが似ている2つの銘柄を選ぶので、さやの動きはほとんどの場合、小さな動きになります。
しかし、決算発表や、ニュースなどによって、いつも同じような動きをしていた2銘柄のうち、一方の株価が大きく変動することがあります。
このようなときには、さやが大きくなります。
ただ、さやが大きい状態が続くことは少なくて、少し経つとまた元の範囲に戻りやすい傾向にあります。
このような性質を利用して、2つの銘柄のうち片方を買って、もう片方を空売りすると言う取引を組み合わせて利益を得る方法です。
割安な銘柄を買い、割高な銘柄を空売りする
鞘どりを狙う2パターン
ここでは2つの同じような動きをする(相関関係のある)銘柄をAとBとしましょう。
A銘柄の株価が大きく上昇したが、B銘柄はほとんど反応が無く、いつも通りの動きをしていたとします。
このようなときには、「さやが大きくなった」ので、株価が大きく上昇したA銘柄に空売りを入れて、B銘柄を買います。
そして考えられる利益がでるシナリオとしては、「A銘柄がいつも通りの値動きに戻る」または、「B銘柄がA銘柄に引っ張られて株価が上昇する」この2つになります。
そして、2つの銘柄のさやが元に戻った時に、利益確定をします。
さやが縮小した分が、利益になります。
もう一つのパターンとして、A銘柄が大きく下落して、B銘柄がほとんど動かなかったときには、今度は安くなっている方のA銘柄を買い、B銘柄を空売りします。
文章だけだとイメージが沸きにくいので、チャートを見てみましょう。
大型の安定株がいい
基本的に、安定している株の代表といえば日本のディフェンシブ株である電力株がサヤ取りの最初にはいいかと思います。
東北大震災のように、東京電力が大問題になった時にはもちろん触らない方がいいんですが、通常であれば問題ないと思います。
ここでは、東京電力と、北海道電力の折れ線チャートを見ていきたいと思います。
東京電力

北海道電力

大まかに同じような動きをしているのはわかるでしょうか?
❶このような相関性のある動きの銘柄を2つ選びます。
そしてその後にすることは、❷3ヶ月程度の終値の差をグラフにしていきます。
ここでは、見やすいように1ヶ月間の終値を1つの表にしてみましょう。

これを見ると、大体同じ動きをしているのがわかりますね。(小さいので見にくかったら連絡いただければ、ツイッターでDMで送りますよ)
これの、1日ごとの差額(さや)を調べてみます。
そして、それをグラフで表してみますね。

お互いの株価が近くなったのが、3月9日で差額が40円というのがわかり、最近ではどんどんお互いの株価の差が大きくなってきているのが分かります。
ここ1ヵ月間の動きでは、そこまで大きな乖離は見られませんが、この株価の差が何かの拍子に150円以上離れるようであれば、さや取りを仕掛けるタイミングが来るかもしれません。(その銘柄によって狙う値幅は変わります。)
ここでは、1ヵ月間の動きで見ましたが、3ヶ月くらいの値動きで見れば、仕掛け所もわかってくるでしょう。
私が、さや取りをするときに使っているツールを公開しちゃいますね。
こちらのツールでは、株式コードまたは銘柄名を入力すると、約40年前からのデータを無料で公開しています。
そのデータをExcelなどに貼り付けて、グラフ化すれば簡単に今、載せたようなグラフが作れます。

Excelの使い方がわからない人も、❶コピペして❷グラフにしたいところを囲んで❸グラフを作るボタンを押すだけで、作れるのでやってみてください。
相関性のあるグラフを見つけたけど、グラフが作れないから助けて〜!って人は、連絡ください。(お金は取りませんww)
2つの銘柄が離れているときに買いと売りを組んで、元のように近づけば利益という手法です。
この手法には、メリットとデメリットがあるので、その話をして今日は終わりにしようと思います。
サヤ取りのメリットとデメリット
メリット
鞘取りの最大のメリットは、リスクがとても小さいということです。
私のトレードスタンスには、とても合っています。
買いと売りを組み合わせて値動きを小さく抑えるので、大きく損失を被る可能性は極めて少なくなります。
コロナショックのような大暴落が起きたとしても、買いで入った銘柄は暴落でマイナスになりますが、空売りを同時に仕掛けているので、もう片方の銘柄が損を相殺する形になります。
損失が出るとしても小さな損失で済みます。
デメリット
デメリットは、リターンが少ないということです。
勝率はとても高く、数10円、数100円の利幅は取れますが、30%など大きな利幅は取れないです。
しかし、着実に利益を出していきたい人には、お勧めの手法です。
ちなみに、世界中のヘッジファンドの代表的な手法で、さや取りを大きい金額で売買するので、リターンが少なくても大きな利益になります。
そして、リスクがとても小さいです。
まとめ
今回は、さや取りの手法の考え方について話をしてきました。
どうだったでしょうか?
少し難しく感じた人もいるかもしれませんが、同じように動く2つの銘柄が一瞬離れたところを利益に変えていく方法です。
この手法をマスターすれば、暴落なんて全く怖くありません。
大きく利益を取ろうとすれば、その分大きく資産を失うこともあるということを頭に入れて、投資をしてみて下さい。
今回の記事が、あなたの投資人生にプラスになりますように。
- 値動きが近い銘柄の組み合わせの探し方
- 相関関係が高い銘柄の組み合わせの発表(日本株)
- 異なる業種の相関関係が高い組み合わせの発表(日本株)