こんにちは、Centです。
今回は、アメリカの代替肉を手がけるビヨンド・ミートと中国ネット通販大手のアリババ集団の提携ニュースについて詳しく解説していきます。
代替肉とは、その名の通り、豚肉や牛肉、鶏肉といった動物の肉を使わず、植物由来の別の素材で代替したものです。
この代替肉は、特に菜食主義者(ベジタリアン、ヴィーガン)の拡大、環境面の配慮などから、急速にその市場が拡大しつつあります。
その代替肉のトップを走るのが、今回紹介するビヨンド・ミートです。
ビヨンドミートは、植物由来のタンパク質をもとに代替肉を製造・提供しています。
今回アリババ集団との提携が発表されたので、詳しく解説していきます。
さらには、中国市場の代替肉事情と、おすすめ関連銘柄についても触れていきたいと思います。
それでは今日もお付き合い下さい。
報道されたニュース
植物代替肉を手掛ける米ビヨンド・ミート(BYND)が中国のネット通販最大手、アリババ集団(HK:09988)と提携し、中国のスーパーマーケットで植物由来のバーガーパテの販売に乗り出すことが明らかになった。
上海市内にあるアリババ集団傘下の生鮮スーパー、「盒馬鮮生」の50店舗で販売を開始し、9月には北京市と杭州市の48店舗に販売網を広げる予定になっています。
また、ビヨンド・ミートが作る人工肉餡餅(シャンピン)を「盒馬鮮生」のモバイルアプリ上で販売する計画になっています。
以前の中国市場でのビヨンド・ミートの動き
ビヨンド・ミートは、中国でファストフードチェーンを展開するヤム・チャイナ(YUMC)と提携して、6月上旬から順次、KFC、ピザハット、タコベル(メキシカン・ファストフード)の一部店舗で代替肉メニューを展開すると発表済みです。
しかし、外食チェーンではなくスーパーマーケットでの小売販売に乗り出すのはこれが初めてになります。
このニュースがきっかけとなって7月1日のアメリカナスダック市場ではビヨンドミートの株価が急伸しました。
本土A株市場でも、19年後半から脚光を浴びている代替肉銘柄が改めて買われる展開となり、ビヨンド・ミートの原材料サプライヤーでもある代表的なテーマ株、海欣食品(002702)が前日比6.5%高で取引を終えました。
KFC、スタバが代替肉メニュー導入
人工肉は大きく分けて2種類に分かれます。
「植物由来の代替肉」と、動物の細胞を組織培養する「培養肉」ですが、現在市場に出回っているのは植物代替肉がメインになっています。
培養肉は今のところまだ、研究開発段階にあって、市場に出回るまでまだ時間がかかりそうです。
欧米を中心に菜食主義者(ベジタリアン、ヴィーガン)の増加や環境保護志向、ヘルシー志向が高まっていて「ミートレス」が流行しています。
世界の植物肉市場は19年に約121億米ドル規模。25年には279億米ドルへ、年率15%のペースで成長する見通し
中国企業の動き
中国国内でも深セン市の代替肉スタートアップの星期零(STARFIELD)や、「金華ハム」で知られる金字火腿(002515)、菓子ブランドの百草味といった食品大手がこの分野に参入しています。
このように、世界的に注目が集まっています。
販売は主に、外食チェーンとネット通販で、うち外食では、スターバックスが4月にビヨンド・ミートのパテを使ったバーガーメニューを導入しています。
また、5月には茶飲料スタンドの人気チェーン「喜茶(HEYTEA)」が、STARFIELDと組み、チーズハンバーガーの販売を開始しました。
ビヨンドミートの狙い
今回ビヨンドミートの参入は、中国のスーパーマーケットの販売を広げることが狙いです。
アリババ傘下の「盒馬鮮生」をパートナーに選んだ理由は、オンラインとオフラインを融合させた新小売り(ニューリテール)プラットフォームとしての魅力があることでしょう。
実際に盒馬鮮生は、店頭とネット販売、食材の調理加工、配送を融合させたビジネスモデルは成功していて、「19年チェーン企業100強」によると、盒馬鮮生の売り上げ伸び率は前年比185.7%増と、同業他社を圧倒しています。
そして、店舗数はすでに200店を超えたという報道もされています。
代替肉の問題点
中国本土では、代替肉は19年後半から注目され始めたばかりで、都市部の若者を中心に積極的に購入されています。
しかし、まだ物珍しさが購買につながっている感が否めず、基本的には「ブルーオーシャン」(未開拓市場)になっています。
中国市場で本格的に取り入れられるようになるまでには、価格や味、認知度といった問題点をクリアする必要があるとの投資機関からのレポートも出されています。
代替肉の価格
実際に、中国で販売されている代替肉の価格は通常の食肉よりかなり高い値段設定になっています。
喜茶のSTARFIELD製代替肉のチーズバーガーが25元(約380円)で、スターバックスが販売するビヨンド・ミートの代替肉メニューは最も安いもので59元(約900円)になっています。
そして、これらの値段が高くなっている理由は、ビヨンドミートの小売価格が高い点にあります。
ビヨンド・ミートのパテの販売価格は1キログラム当たり100元(約1700円)の水準で、高価格設定の背景には、初期コストの高さと、市場浸透度が低いために採算が取れるラインが上がっていることです。
中国証券会社レポート
健康志向が強くなってきている中国では、「低脂肪」「健康」「環境保護」といった代替肉は中国国内の中産階級へのアピールになるとの見方が強い。
中国はいずれ、世界最大の代替肉消費大国になるとみられていて、この先の市場拡大余地はとても大きいとの予測です。
代替肉関連銘柄
中国の代替肉関連銘柄について話していきたいと思います。
A株の代替肉テーマ株は煙台双塔食品、包頭東宝生物技術(300239)、金字火腿など。
その中でも、山東省招遠市政府系の食品メーカー煙台双塔食品はビヨンド・ミートやネスレなどに植物性たんぱく原料を供給しています。
特に、エンドウ豆たんぱくの年産能力は世界全体の約4割に当たる7万トン。
さらに、19年9月に初の“人工肉月餅”を発売して話題になった代表的な銘柄で、株価は20年上期に118%の値上がりを記録しました。
包頭東宝生物技術も代替肉の研究開発に取り組んでいて、6月には包頭軽工職業技術学院と代替肉に関する産学協同プロジェクトに正式調印しました。
ほかに、金字火腿は植物肉製品の生産販売をすでに開始しており、アリババのネット通販プラットフォーム「天猫」などで販売中です。
- 煙台双塔食品(002481)
- 包頭東宝生物技術(300239)
- 金字火腿(002515)
まとめ
今回は、ビヨンド・ミート(BYMD)とアリババが提携!中国で販売へというテーマで話をしてきました。
実は中国には、まだまだ多くの代替肉関連銘柄があります。
しかし、先ほど挙げた3社に関しては私個人のオススメ銘柄にもなります。
世界中には、まだまだ発掘されていない銘柄がたくさんあるということです。
今回の記事で、少しでもあなたの投資生活にプラスになることを願っています。
今日も読んでいただきありがとうございました。