中国・香港市場

【中国銘柄分析】中国の「Go To トラベル」を学び、日本、アメリカ株につなげよう

こんにちは、Centです。

今回は、中国の「観光セクター」について話をしていきます。

中国市場の状況を知って、中国市場に投資をしてもいいし、日本やアメリカの似たような業種の指標にもなります。

参考になれば幸いです。

セクターとは?

株式市場を分析するときに、似たような業種にグループ分けすることを言います。セクターは業種や発行株数、株価といったグループだけでなく、技術や開発といったテーマごとに分ける場合もあります。

コロナが落ち着きつつあるといわれている中国では、最近「観光セクター株」の上昇が目立ちます。

特に国内旅行関連の株が好調になっています。

日本やほかの海外では、コロナの第二波が到来してきていますが、投資家は悲観しているよりも、次に流れが来るであろうセクターや銘柄の投資チャンスを探すべきです。

新型コロナウイルスの感染が収束に向かい始めたら、安心感から大きな株価の上昇につながっていくでしょう!

だから、いまこそ中国の動きに注目するべきだと考えています。

それでは、今日も学んでいきましょう。


中国当局からの支援策

新型コロナウイルスの感染が落ち着きつつある(といわれている)中国では、終息からの安心感にプラスして、中国当局からの観光セクターへの支援策が材料視され株価が上昇しています。

禁止されていた団体での旅行も解禁され、夏の観光シーズン前に観光セクターに注目が集まっています。

旅行者が増えることで、観光セクターだけでなくかなり落ち込んでいた空運セクターや、外食セクターも復調する予想ができます。

中国の文化観光部弁公庁は7月14日に、旅行関連企業の営業再開を推進する通知を発表

内容は、地元政府の承認を経て旅行会社やオンライン旅行サイトの運営会社が省境を越える団体旅行や、航空券+ホテルパックの販売を再開できるようになりました。

さらに観光客の上限を、最大受け入れ可能人数の30%から50%へ引き上げたことも追い風になっています。

ただし、リスクが「中-高水準」の地域は団体旅行と航空券+ホテルパック業務の対象外になっています。

また、省をまたいだ観光業務は当面、営業を再開しないとの見方がつよい状況です。



旅行禁止になった経緯

国内団体旅行と航空券+ホテルパックの全面停止になったのは、春節(旧正月)連休初日の今年1月24日のことでした。

同月27日には海外観光を含むすべての団体旅行と航空券+ホテルパックを停止させた。

防疫のために必要な措置とはいえ、中国の春節は観光業にとって最高の稼ぎ時なので、廃業に追い込まれた企業も少なくなかった。

2月に入ってからは徐々に営業を再開していき、3月には一部の省と市が省内の団体旅行を解禁しましたが、省境を越える旅行は依然として禁止されていました。



中国の観光セクター考察

7月14日の通知を受けて、オンライン旅行の中国最大手トリップ・ドット・コム(TCOM)が運営するサイトでリゾート、ホテル、航空券に関する検索数が急増しています。

国内団体旅行と自由旅行の検索件数は、瞬時に解禁前の5倍に急増したとの報道もされました。

トリップ・ドット・コムが発表した「下半期観光意欲調査報告」によると、調査対象者の82.6%が下半期に旅行したいと回答しました。

省をまたぐ長距離旅行については、8割以上が意欲を示しています。

みんな旅行したいですよね!



上方修正と期待からの買い

上方修正とは?

企業が決算において予想利益などの数字を引き上げること。 売り上げ増加や環境改善など、想定していなかった要因によって従来の予想以上の達成が見込まれるときに発表されます。

雲南省・麗江古城の景勝地「玉龍雪山」で観光施設の運営を掛ける麗江玉龍旅遊(002033)は、20年6月中間決算の業績見通しを上方修正しています。

予想赤字幅を従来の5000万-8000万元から1500万-3000万元に上方修正しました。

また、中国のリゾート地である海南省の免税品規制が7月1日付で緩和されました。

これも、観光セクターの買い材料の要因になりました。

また、離島を訪れる旅客が免税で購入できる額の上限が1人当たり年間3万元(約45万円)から10万元(約150万円)に引き上げられました。(中国人は離島や海外で使ってもいい上限金額が決まっています)

これを受けて、上海市場では海南省で4カ所の免税店を運営する中国旅遊集団中免(601888)が買いを集めました。

香港市場でも海南美蘭国際空港(00357)が急騰しました。


注目銘柄(中国市場)

『証券時報』から注目銘柄が発表されています。

北京を拠点とする旅行会社の衆信旅遊集団(002707)、中国光大集団傘下の中青旅控股(600138)、上海錦江資本(02006)子会社の上海錦江国際旅游(900929)が取り上げられています。


注目銘柄(香港市場)

『香港経済日報』もまた、観光セクターの注目銘柄をあげています。

中国本土の観光活性化の恩恵を受ける香港上場銘柄として、同程芸龍(00780)チャイナトラベル・ホンコン(00308)を推奨しています。

同程芸龍は中国の大手オンライン旅行会社で、国内旅行の再開により航空機や鉄道、船のチケットや旅行保険の取り扱い、さらに宿泊予約が増える見込みです。

チャイナトラベル・ホンコンは、観光名所と施設の管理旅行代理店業務ホテル・レストラン経営(中国本土と香港、マカオで展開)、旅客運輸業務の4部門を抱えています。


日本のGo Toとの違い

中国では、コロナの感染者数が減少傾向にあるとの発表なので、国内旅行に力を入れることができるんですよね。

日本では、コロナの感染者数が連日のように最高数を更新していて、「Go Toトラベル」なんてしている場合ではないと考える人も多いですよね。

さらには、中国では日本のように国内旅行の代金を補助する制度もありません。

個人的には、今のタイミングでの日本の「Go Toトラベル」の開始は、ありえません。

事実かどうかわかりませんが、このような記事も出ていましたね。

本当ならば、国民を危険な目にあわせてでも自分たちの私腹を肥やしている行動は、絶対に許すべきではありませんね。



懸念する業界関係者

香港市場の関係者は、最近の措置により中国の観光業界が完全復活を遂げるとは思っていないというのが正直なところです。

海外旅行はいつから再開されるのかわらない以上、中国当局は国内旅行の再開に力を入れるしかない、との見方をしているからです。

『香港経済日報』は、世界全体では新型コロナ感染が依然として厳しい状況にあると指摘しています。

『香港経済日報』
  • 中国が自力で対処できるかは相当に疑問
  • 旅行株を選定する際に最大のリスクとなる

国内旅行が再開し始めたといっても、完全にコロナ以前の状態に戻るまでには、まだまだ時間がかかるでしょうね。


まとめ

今回は、中国の「観光セクター」について話をしてきました。

私個人としては、Go Toの期待で、日本株の観光セクター投資をしようと思っていましたが、投資を見送りました。

コロナの感染者が連日とても多いためです。

しかし、政府の支援政策などで株価が大きく上がることも事実なので、政府発表のニュースにはすぐに反応できるようにしておくべきでしょう。

しかし、期待感の長続きはしないものと割り切って短期的な株式投資が良いのではないでしょうか?

日本やアメリカの観光セクターはまだまだ軟調な動きを見せています。

新薬の開発などでコロナリスクの後退が期待出来れば、迷わずリスクをとっていきたいセクターですね!

今日も、読んでいただきありがとうございました。