こんにちは、Centです。
今回は、アメリカの中国テクノロジーの排除の動きの追加速報について分析していきたいと思います。
世界的に香港を中心とする国家安全法などの問題について、アメリカは、中国企業の排除に向けた動きをさらに加速させています。
今回追加されたのは、ファーウェイやバイトダンス(TikTok)だけでなく、中国を代表する有力ネットサービス企業テンセントが標的に加わったということです。
あまり大きく報道はされていませんが、これは重要で知っておかなければいけない知識です。
それでは、中国テクノロジー排除の報道をまとめていきます。
今日も、お付き合いくださいね。
TikTok、テンセントを排除
ポンペオ米国務長官は2020年8月5日、中国企業の通信・ネットサービスを幅広く制限する「クリーン・ネットワーク」プログラムを発表しました。
また翌日の6日にはトランプ大統領がアメリカ人に対して、TikTokの親会社バイトダンス(字節跳動)とテンセント(00700)との取引を禁止する内容の行政命令に署名したとの報道がされました。
テンセントは、2020年6月時点でアリババを抜きアジアで時価総額1位の企業であり世界的に幅広くサービスを提供しています。
- SNS
「ウィーチャット」「QQ」「ウェイボー」など - ゲーム
「PUBG MOBLE」「CALL OF DUTY」など - 金融
「微信支付」など
その他、映画、漫画、音楽、電子書籍、スポーツ、報道、IT、人工知能、自動運転など世界中のありとあらゆるサービスがあります。
ファーウェイやバイトダンス(TikTok)だけでなく、中国を代表する有力ネットサービス企業テンセント標的に加わったということです。
ポンペオ米国務長官はチャイナ・テレコム(00728)などの通信サービスや、アリババ集団(09988)などクラウドサービスも、「クリーン・ネットワーク」から排除すべき対象として名指ししています。
株価への影響
このようなアメリカの強硬姿勢は、テンセントをはじめとする中国ハイテク銘柄の調整圧力となる可能性を考えておかなければいけません。
『香港経済日報』の報道では、米中対立リスクの大きいハイテクより、本土の内需銘柄に目を向けるよう、投資家に勧めています。
内需の比較的安全な銘柄に資金を移動しておけよ!ってことですね。
米中対立の緩和の兆しが見えない中、中国政府は国内で経済を回すことに重点を置く「国内大循環」政策を発表していて、この先しばらくは自動車や飲食、家電などの内需銘柄に資金が集まるとかんがえています。
テンセント微信とTikTokは「重大な脅威」、45日後に取引禁止
クリーン・ネットワーク計画の推進で、中国企業のサービスやアプリを排除するのは、「通信サービス」「アプリストア」「スマホアプリ」「クラウドサービス」「海底ケーブル」の5領域が標的になります。
4月時点では、クリーン構想は主に5Gが対象で、華為技術(ファーウェイ)を標的とした内容でした。
しかし、今回はカバー範囲を大きく広げるかたちになりました。
TikTokとテンセントのメッセージアプリ「微信」(WeChat)については、「米国民の個人情報に対する重大な脅威」との認識を表明しました。
トランプ大統領署名
トランプ大統領は6日、米国企業やアメリカ人に対し、TikTokの親会社バイトダンスおよびテンセントとの取引を禁止する内容の行政命令に署名しました。
アメリカ人に、「これらのサービスを使うなよ!」ということですね。
この命令が45日後の9月20日に発効する見通しとなっています。
テンセントに関しては、今のところ禁止対象となるのは「微信に関連した取引」となっています。
テンセントのソーシャルメディア事業の海外展開は今のところ限定的ですが、ゲーム事業では海外に多くのユーザーを抱えており、微信の排除がゲーム事業の運営に影響する可能性が出てきています。
5領域についてのアメリカの要求
アメリカから出された5領域の要求についてまとめておきます。
- クリーン・キャリア
国際通信サービスにおいて、アメリカと目的地の間に中国企業を挟まないようにする。 - クリーン・ストア
中国アプリをアメリカのアプリストアから削除をする。 - クリーン・アプリ
中国のスマホベンダーがアメリカのアプリをダウンロードできないようにする。 - クリーン・クラウド
個人と機密を守るため、アリババ、百度、チャイナモバイル、チャイナテレコム、テンセントなどの中国企業のクラウドシステムを利用しない。 - クリーン・ケーブル
各国と連携して、インターネットに連結する海底ケーブルを中国が情報収集などに悪用しないように対処する。
その他中国系企業への影響
クリーン・ネットワーク計画のアプリ制限が実行されると、もう一つ注目しなければいけないことがあります。
それは中国のスマホベンダーへの影響ですね。
ファーウェイだけにとどまらず、小米集団(01810)、OPPOなどの中国ブランドも、米系アプリのプリインストールやダウンロードができなくなる可能性があります。
今後はGoogleやTwitter、YouTubeなどに自由にアクセスできなくなる可能性が出てくるかもしれないですね。
ちなみに、そうなれば日本で中国系のスマホを使っている人も機能しなくなる恐れがあるということです。
ヤフーもグーグルの検索エンジンを使っているし、日本でも影響を受ける人が出てくることになってしまします。
もともとグーグル系アプリの使用が規制されている中国国内では問題ないですが、欧州やその他海外市場では大きな影響が出るでしょう。
ポンペオ国務長官の発表には強制力はないが、アメリカ国内の公的機関や企業に要請し、各国政府にも同調を働きかけています。
中国の報復を警戒
「事実無根」「国家権力の乱用」としてアメリカを強く批判している中国が、今後どのような報復に出るかも注視していきたいですね。
ハイテク覇権争いの領域が半導体からアプリに拡大する中、中国政府としては雇用の確保とともにテクノロジーの内製化に最優先で取り組む必要がある
米国の大手企業を標的とした報復の可能性は低いかもしれません。
しかし、ロイター通信は「報復はほぼ確実」との認識を示しています。
例えば米国人ビジネスマンのSIMカードでローミングできなくなるなどの可能性に言及しています。
テンセントの株価
テンセントは今回、「微信」と「クラウドサービス」の2点で排除対象に名指しされました。
さらに、トランプ大統領による取引禁止令を受けるという徹底的な排除対象となりました。
テンセントに対するアナリストらの評価は現段階では強気一辺倒ですが、評価に一定の影響を及ぼす可能性がでてきています。
中国系のハイテク銘柄も少なからず影響を受けるので、投資の目線からは「投資対象外」にせざるを得ないでしょう。
まとめ
今回は、トランプ政権:テンセントとは“取引禁止”株価はどうなる?というテーマで話をしてきました。
これらの報道が出るたびに、香港市場への影響も強くなっていくでしょう。
そして、日本企業と中国企業とのつながりも強いので、今後のアメリカ政府の動きには注目していきたいところですね。
しかし、株価は上がるか下がるかは誰にもわかりません。
逆境こそ投資のチャンスになることもあるので、投資は自己責任でお願いします。
今日も、読んでいただきありがとうございました。