こんにちは、セントです。
今回は、ソフトバンクグループがコールオプションを大量購入していたことが暴落を引き起こしたことについて話していきたいと思います。
2020年9月4日、5日とNYの株価が暴落しました。
ナスダック指数は5%以上の下落で投資初心者さんには「一体何が起こったのか?」わからなかった人も多かったと思います。
報道では、ソフトバンクグループが「コールオプション」を大量に購入していたことが、今回の暴落につながったということでした。
えっ?
コールオプションっていったい何なんだ?
投資初心者さんにとって、オプション取引についてはほとんど無縁な人が多いと思います。
そこで今回は、コールオプションとはいったい何?という話をしていきたいと思います。
そして、そのカラクリとソフトバンクが何をしたかったのか?その前兆はあったのか?と言う事まで深掘りしていきたいと思います。
なるべく投資初心者さんにも理解できるように説明していきますね。
私と一緒に勉強していきましょう。
それでは、今日もお付き合いください。
コールオプションを理解しよう
オプション取引とは、一言で言えば「権利売買」です。
しかし、権利売買と言われてもはっきりいって意味がわからないですよね?
今回、ソフトバンクは「コールオプション」を大量に購入していたと言うことでした。
コールオプションを日本語に変えると、買う権利と訳されます。
決められた期日に「〇〇円で買う権利」を買っていた。
日本語に訳しても少しわかりにくいので、コールオプションとはどういうものなのか?説明していきたいと思います。
そもそも、今回のソフトバンクグループの目的は、保有している株を大量に売りたいと言うのが最終的な目標でした。
そして、オプション取引は「保険(ヘッジ )」のような使い方ができます。
そのことについて詳しく説明していきます。
どこでオプションを使うの?
持っている株を大量に売りたいのであれば、普通に売ればいいんじゃないの?と言うのが一般的な考えです。
しかし、コロナウィルスによって大きな暴落をした後の株式市場は、株価が上昇傾向にありますよね。
株を売った後に、株式市場がドンドン上がってしまったら取れていたはずの利益を取れない事態になってしまいます。
そんな時にオプション取引はよく使われます。
オプション取引の用語を使って説明すると、とても難しくなるので言葉を変えて説明していきたいと思います。
コールオプションとは?
コールオプションとは買う権利のことだと先ほど説明しました。
別の言葉で言えば、こんなふうに理解することができます。
株価が上がったら、利益をもらうよ。
もし、株価が下がって損が出るならやっぱりやめるよ。
この話だけ聞いたら、そんなことできるの?と言う人も出てくると思います。
だって、株が上がったら利益をもらえて、下がったら損が出てしまうのでやっぱりなしにできるんですから。
しかし、これは実際にできる話なんです。
そしてこれが、コールオプションと言うものです。
そこにはカラクリがあって、もちろんいいことだけではありません。
少し説明していきましょう。
コールオプションを理解する話
これは、オリーブ絞り機のオプション取引ともいえるものです。
お金を当てはめて理解していこう
もしも、オリーブが不作になりオリーブの絞り機を皆が必要としなかったら、借り入れ料は下落してしまいます。
最初に払った5万円と、30万円で機械を借りて、50万円でまた別の人に貸してるので、差額の15万円が利益と言うことになります。
これが現代の言葉で言い換えれば、コールオプションの買いです。
そして、不作で機械の借り入れ料が20万円などになってしまったら「買う権利」を破棄すれば良いのです。
もちろん、最初に払った5万円は損失になります。
しかし、損は5万円以上にならないし、利益はいくらでも増える可能性があるんですね。
このように、コールオプションの買いは損失限定で利益は無限大なんて説明されることも多いですね。
ここまでは理解できたでしょうか?
次はいよいよ、ソフトバンクグループが何をしたか?理解していきましょう。
ソフトバンクの行動を理解する
繰り返しになりますが、ソフトバンクグループの目標は、保有している株を大量に売却する事でしたね。
ここに先ほどの、コールオプションを組み合わせるとどのようになるか?説明していきたいと思います。
そして株価が上昇した場合と、株価が下落した場合の2通り考えてみましょう。
通常の株式取引
保有している株を売却した後に、株価がどんどん上昇して悔しい思いをした経験はありますか?
「もう少し長く保有していれば、利益がもっと取れたのに」と言うのは株式投資ではあるあるですね。
通常の株式取引では、保有している株を売却した後にその株がどんどん上昇してしまうことがリスクとして考えられています。
この上昇も利益に変えることができるのが、コールオプションです。
株式を売却した後に、株価が下落すれば「高いところで売れた」「最高のところで売れた」となるんですけどね。
そこに、コールオプションを組み合わせた場合どのようになるんでしょうか?
コールオプションを組み合わせた場合
先程も言いましたが、オプション取引は保険で使われることが多いです。
株が上昇した場合、下落した場合の2通りで考えていきましょう。
株価が上昇した場合
株式を売却した後に、株式市場が上昇した場合には「株式売却の利益と、コールオプションの利益」を得ることができます。
言葉を変えれば「早く売りすぎた」と言うことがなくなるわけですね。
株式投資をしていると、このようなことがたくさん起きます。
なぜならば、今利益が出ている株が今後どのように動くか?は誰にもわからないからです。
次は下落した場合について考えていきましょう。
株価が下落した場合
コールオプションでヘッジ (保険)をかけるときには、プレミアムと呼ばれる「手付金のようなもの」を先に払う必要があります。
先程のオリーブの話では、権利を購入するのに5万円払っていましたね。
コールオプションを購入することで、下落のときには損失限定、上昇のときには利益に変えていけるわけですね。
このようにして、コールオプションの買いを組み合わせることで株式売却による利益を、保ちつつ上昇した場合にも利益をさらに伸ばすことができるのです。
プレミアムについては、その都度変わってしまうので、ここでは詳しい話をしませんが、プレミアムの値段が最大損失になるということです。
ソフトバンクの目標
結論を言うと、ソフトバンクグループは「株式の売却をしたいけれど、株式市場の上昇の利益も取りたい」というのが目標でした。
そしてそれが、今回のコールオプションの大量購入につながったのです。
そして、ソフトバンクグループとはわかりませんでしたが、株式市場に不穏な動きがあって、前兆があったことに気づいた人は少なかったかもしれません。
次は、「株式市場に出ていた前兆」について話をしていきたいと思います。
オプション取引とVIXの関係
詳しい話をすると、とても難しい話になってしまうので今回は簡単に説明させていただきます。
恐怖指数と言われるVIX指数というのがあることを知っている人も多いと思います。
基本的には、「株式市場が下落」すると「VIX指数が上がる」と言うのが一般的な話です。
しかし、大幅な下落の数日前から「株式市場は上がっているのに、VIXも上昇している」という現象が起きていました。
だから私は、暴落の前日までにはほとんどの株を売却し、様子を見ることにしました。
VIXが何によって変動するのか?理解していない人は、なぜこのようなことが起きるのか全く理解できませんよね。
株が下がったら、VIXが上がるんじゃないの?という疑問にお答えしていきましょう。
簡単に説明しますね。
VIXは、なにで動くの?
難しい話は置いといて、VIXはオプション市場の取引が活発になると上昇します。
簡単に言えば、株式市場が下落すると株を大量に保有している投資機関が「ヘッジ (保険)」のためにオプション取引をするんですね。
そうすると、VIX指数が上昇するのが一般的です。
これが、株式市場が下落するとVIX指数が上昇することになるカラクリなんですね。
今回のように株式市場が上昇しているのにもかかわらず、VIXも上昇していると言う事は、基本的にどこかの機関が大量に株式を売ろうとしている可能性が高いと言うことです。
私たち個人投資家は、確定的な情報を得ることは難しいですが、今回のようにいつも起きていることが否定されている状態の時は何かが起きる前兆だと言うことを知っておきましょう。
そして、それが株式市場の下落につながるかどうかは確定ではありませんが、いつも以上に警戒をしなければいけません。
まとめ
今回は、【投資初心者向け】NY株暴落!SBGがコールオプションを大量購入が原因ってどういうこと?というテーマで話をしてきました。
株式市場と、VIXの関係がいつも暴落につながるわけではありませんが、警戒心を高める指標になる事は間違いありません。
そして、「個人投資家であってもオプション取引を有効に活用することが可能」です。
オプション取引については、また別の機会に詳しく解説していきたいと思います。
今回の記事でわからないことがあれば、Twitterで気軽に質問してください。
今日も、読んでいただきありがとうございました。