こんにちは、セントです。
今回は、テクニカル分析を信じすぎると、株式投資やFXで損を出してしまうという話です。
投資初心者さんが投資を初めて勉強すると、テクニカル分析が最強だとか、テクニカルだけでも利益がでるとか、様々な間違った情報に当たってしまいます。
テクニカル分析がまずわからないよと言う方のために、最初の章ではテクニカル分析とは何なのか?についてまずは話していこうと思います。
本屋さんに行っても、「初心者のためのテクニカル分析」とか、「テクニカル分析入門」とか、そんな題名の本がたくさん並んでいますよね?
あたかも、テクニカル分析を勉強すれば儲かりますよと言わんばかりです。
もちろん、投資においてテクニカル分析は「すごく重要な要素の1つ」です。
しかし、テクニカル分析を勉強しても、必ず投資で勝てるようになると言うわけではありません。
相場参加者の9割が負けてしまう世界ですから、もうすでにテクニカルだけでは勝てないことは証明されてしまっているようなものです。
なぜ勝てないのか?を、深掘りして話していこうと思います。
テクニカルは過去の傾向
株式投資の初心者だけではなくて、株を始めて結構経つ人でも、テクニカル分析を正しく理解していない人もいるくらい、テクニカルの信者の人は沢山います。
はっきりいうと、テクニカル分析で、未来の株価が上昇するか、下落するかを予測することは不可能です。
全く同じ条件で、未来が進むことはありえないからです。
サイコロを振って確率を求めたりするのは、ほぼ同じ条件で何回でも繰り返せるので、確率の問題は単純なものになります。
しかし、相場の世界ではそうはいきません。
まだ、ニュースになっていない問題が世界には沢山あって、単純な確率だけでは求められないのは、明らかですよね。
コロナウイルスだって、2003年に香港で流行ったSARSのように3ヶ月位で自ら弱体化して消えていくものだと言われていました。
しかし、そうはなりませんでした。
だから、テクニカル分析を信じすぎると大怪我をしてしまうのです。
大きな問題が起きて、大暴落が起こるのが相場
ずっと順調に上げ続ける相場は理想ですが、そういう訳にも行かないのが相場の世界です。
バブル期で株が上がりやすい相場と、リーマンショックなどの暴落では、投資家の行動は変わってきますよね。
テクニカル分析では、このような市場の変化を無視したデータの蓄積なので、過去のチャートを同じように扱うと、全く機能しないものになってしまいます。
次のパートでは、「投資のプロであってもテクニカルを信じすぎてしまうと資金を失ってしまうよ」と言う失敗例を話していきたいと思います。
テクニカルを信じすぎて破綻した『LTCM』
1994年に運用を開始した、アメリカのヘッジファンド『LTCM』について少し話をしておきましょう。
興味のある方は、この伝説のファンドは本にもなっているので、読んでみると面白いかもしれません。
LTCM(ロングターム・キャピタルマネジメント)
アメリカ、コネチカット州に本部をおいていました。
運用チームにノーベル経済学賞受賞者らを集め、高度な金融工学理論を駆使して、運用開始から数年は驚異的な成績を記録していました。
しかし、債券のわずかな金利差から収益を得るために巨大なレバレッジをかけていたため、アジア通貨危機の結果起きた市場の大変動を吸収しきれずに破綻しました。
てこの原理のように、少ない資金で大きなお金を動かす取引のこと。日本の証券会社では、100万円の資金に対して330万円程度の株を購入できるようになっています。
みんなに見てもらいたいのは、このヘッジファンドはノーベル経済学賞を受賞していた人も在籍していた点です。
さらに、FRB元副議長デビッド・マリンズ(David W. Mullins Jr.)なども在籍していて、当時は「ドリーム・チーム」とされていたんです。
コンピューターでリスク管理をして、レバレッジを聞かせて、運用開始から4年間の1998年まで年率40%という驚異的な運用成績を上げていました。
しかし、相場はどんなに頭が良い人を集めても、そんなにうまくいくものではありません。
普通は絶対に起こらないということが、アジア通貨危機、ロシア財政危機と立て続けに起きて、超ヒーロー投資集団は、あっさりと破綻してしまったのです。
計算上では絶対に起きないことが、二回も連続で起きてしまったのです。
テクニカル分析に魅了されてしまったことで、破綻まで追い込まれた例として、語り継がれています。
破綻当時、LTCM幹部は、「起きたのは標準偏差10個分の大異変だった」という言葉を残しています。
標準偏差10個分というのは、数百億年に1度起こるかどうかという確率です。
宇宙の歴史上一回しか起きないような確率です。
次のパートでは、初心者が陥りやすいファンダメンタルやバリュートラップについても付け加えましょう。
PERを見て買う落とし穴
ファンダメンタル分析とは簡単に言えば、企業の売り上げや業績等の数字から未来の株価を予想しようとすることです。
本を読んでいると、いまだに「PER」を見て、割高か割安かを判断しましょう!というものを見かけます。
入門書には、株価収益率「PER」(Price Esrnings Ratio)は、PERが低いものは割安なので、そういった株を買いましょうと書かれています。
しかし、これは全くの間違いです。
PERは現在の株価が、「今の企業の収益力の何倍か?」を示しているだけです。
事業が飽和していて、伸びが見込めない会社のPERは低くなりやすいし、どんどん伸び続けている会社はPERが高めの状態を維持したまま上がり続けます。
電力会社やガス会社などは低め、IT系はかなり高めになりやすいんですね。
だから、PERで売買していると利益が出るところか、損をし続けます。
バリュートラップの罠
相場の世界にはたくさんの罠があります。その中でも有名なのは、「バリュートラップ」です。
割安だと思って買った株が、さらにそこから下げ続ける状態を言います。
(よくあります。)
バリュー投資家などは、このような株を狙って投資をしていくことになります。
スクリーニング機能などを使って銘柄をピックアップして銘柄を選びます。
しかし、スクリーニングは便利な機能ですが、気をつけなくてはいけないことがあります。
- いつまでも低い株価が続く
- 業績の悪化
PERが低い銘柄には、低いなりの理由があって割高割安の数字だけを見て株の売買をするのは危険です。
成長期待があるのか、それとも将来への不安がある低位株なのか理解しないと、本当に割安なのかは判断できません。
良さそうな銘柄を見つけたら必ず、その銘柄についてもしっかり調べるようにしましょう。
まとめ
今回は、テクニカル分析を信じすぎると、株式投資やFXで損を出してしまうという話をしてきました。
分析とは、色々な指標から総合的に見て投資できるかどうか判断していく必要があります。
偏った考えで、テクニカルのみで判断しないように、自分なりの分析方法を研究していきましょう。
今日も、ブログを読んでいただきありがとうございました。