こんにちは、セントです。
今回は、ロシアのルーブル危機を学び投資に活用しようというテーマで話していきたいと思います。
ロシアって経済大国ってみんながわかっているのに、なかなか情報が入ってこないですよね。
そして、ロシアのことを詳しく教えてくれる人って少ないんですよね。
ルーブルとは、ロシアの通貨単位のことです。
日本で言えば、円ですね。
あんなに大きな国で、自由に旅行にはいけないし、北方領土の問題はあるし、でもあんまりわってないって人が結構いるのではないでしょうか?
そこで今回は、ロシアにスポットを当てて深掘りしていきたいと思います。
わからないものを少しでも知っているだけで、投資で有利になることはたくさんあります。
興味がない人も、ロシアの流れだけでも掴んでおきましょう。
それでは、いってみましょう。
原油価格とロシア・ルーブルの関係
まずは、ロシアの経済は原油ととても強いつながりがあると言う話をしていきましょう。
2014年のことです。
ロシアは、ウクライナへの侵略をして、ヨーロッパ諸国から経済制裁を受けることになりました。
2014年、ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共和国に対して行なった軍事行動をクリミア侵攻と呼んでいます。
さらにこの時期には、ロシア国内の景気の後退と原油安も重なっていて、ロシア・ルーブルは史上最安値を更新しました。
ロシア・ルーブルの下落のタイミングは、原油価格が下落を始めた時期と一致していて、その後も原油価格が下がるにつれ、ロシア・ルーブルも下落をしていきました。
実はロシアの経済は、原油によって保たれているようなものなのです。
だから原油の急落は、ロシア経済にとってとても大きな打撃になると覚えておきましょう。
ちなみにコロナウィルスが蔓延したときに、原油価格が大暴落したのを覚えている人も多いと思います。
その時に、サウジアラビアは減産に合意していたけれども、ロシアはかたくなに「減産をしない」と突っぱねていました。
減産をしたらロシアの経済が破綻するからです。
それでは、ロシアの国の収入源は何なのか?
次のパートでは、ロシアの収入源と政策についてまとめていきましょう。
ロシアの収入源と政府の対策
ロシアでは、歳入(国の収入)に占める原油や、天然ガスの割合は6割以上になっているため、原油の価格が下落すると大きな問題になってしまいます。
2014年、ロシア中央銀行はロシア・ルーブルの過去最安値を受けて、政策金利を17%にまで上昇させて、さらに為替介入をして通貨の防衛を図りました。
金利を17%まであげるのは、不景気を招くことと隣り合わせなんですが、どういう仕組みか解説しますね。
ルーブルが安くなるということは、ルーブルのお金の価値に不安を持った人たちが、持っているルーブルを他の国の通貨に変えようとする動きがあるということなんです。
だから、金利を17%という高い水準にすることで、次のような流れができます。
ルーブルを持っているだけで(年17%)儲かる
→誰もルーブルを売らななくなる
→むしろ買う人まで出てくる
→ルーブルの下落に歯止めがかかる
こんな感じで、ルーブルの下落に歯止めをかけようとしたんですね。
FXなどをしている人にはわかるかと思いますが、金利の高い通貨の売りは相当なコストがかかります。
そのため、通貨の防衛策としては政策金利の引き上げは定石なんですね。
政策の問題点
今回のロシア政府の為替介入は「自国通貨買い」なので、ロシアが持っている海外のお金の分しかルーブルを買うことができません。
このように、国が持っている外国のお金のことを「外貨準備高」と言います。
だから、早めにロシア・ルーブル安を安定させられなければ、大問題になってしまいます。
なぜならば、国がルーブルを買ったのにどんどん価値が減少していったら、ロシアの国自体が大損することになるからです。
そのためロシアは、国内の企業や銀行を保護するために資金をどんどん投入し始めました。
ロシアの「ルーブルの下落を無視してよい会計基準」をつくり、ロシアの金融市場安定のために特別なルールを作っていきました。
はっきり言って、無茶苦茶な政策です。
禁じ手
ロシア政府はさらに禁じ手を使い始めました。
国内の輸出企業に対して、輸出で得た外貨をロシア・ルーブルで管理しなくてはいけない特例を出し、ルーブルを買わせるために動いたのです。
これは、自由貿易を国家が制限する禁じ手であると他国やロシア国内からも批判されていました。
普通であれば、例えばヨーロッパにモノを売ったら、企業はユーロが手に入るので、ユーロとルーブルをバランスよく持つことで、為替の変動リスクに備えているんです。
それが禁止されたんですから、企業は困っちゃいますよね。
このような規制行為は「資本規制」と呼ばれていて、国家が企業や個人の財産に対して、両替や送金などの規制をすることは、通貨の信頼性を失う行為です。
国家が勝手にあれダメ、これダメいうわけですからね。
ロシアのインフレ
ロシア・ルーブルの信頼性が下がった結果、それにバランスを取るようにロシア国内の物価は上昇していきました。
これは「悪いインフレ」の典型です。
なぜモノの価値が上がったと思いますか?想像してみてください。
だから、金融危機にも関わらずモノが飛ぶように売れ、モノの価値が上昇してインフレに繋がってしまったのです。
苦しむロシア市民
市民たちも、いつ下げ止まるかわからないロシア・ルーブルを銀行から引き出しをして、アメリカドルやユーロに両替をドンドンしていきました。
その後、とりあえずの落ち着きを取り戻したロシア・ルーブルですが、近年の原油価格の不安定さがプーチン大統領の悩みの1つでもあります。
アメリカのイラン制裁、OPECのサウジアラビアの原油生産制限などは、遠回しにロシアを牽制している行動とも取れますね。
石油輸出国機構(Organization of the Petroleum Exporting Countries)は、国際石油資本などから石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月14日に設立された組織です。
設立当初は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国を加盟国としていたものの、後に加盟国は増加し、2020年7月現在では15か国が加盟しています。
そして、ロシア国内ではプーチン大統領に対して不満が高まっていて、デモなども頻繁に起きています。
ヨーロッパ経済にはロシアが絶対必要な理由
知らない人は必ず覚えておいて欲しいことをお話します。
ロシアの国営石油会社「ロスネフチ」と、世界最大のガス会社の「ガスプロム」の2社は、知識として必ず押さえておかなくてはなりません。
ロシアは、この会社を通してウクライナを始め、EU各国にエネルギー資源を供給、販売しています。
なんと、ロシアからガスパイプラインはヨーロッパの先進国まで繋がっていて、ヨーロッパの石油とガスの需要の3割以上はロシア産のモノになっています。
クリーンな国のイメージのあるフィンランドや、ギリシャなどは、現在でも国内で消費するガスのほぼ100%をロシアに依存している状態です。
ロシアから見ても、ガスの輸出全体の約半分はヨーロッパであり、パイプラインで繋がれているため、ヨーロッパ経済と、ロシア経済は、切っても切り離せない関係になっています。
ロシアの富裕層
ロシアにはたくさんの超富裕層がいます。
あまりイメージがないですよね。
資産が5000万ドル(53億円)以上保有する人の数の国別ランキングでは、日本は8位(3350人)に対して、ロシアは9位(3120人)と日本とほぼ変わりません。
そして、このような超富裕層の人たちの資金の多くはヨーロッパ各国に流れ込んでいます。
豊富な資源とヨーロッパなどへの積極的な投資で財を成した人が多いと言われています。
ロシア人の超富裕層が不動産や、高額の商品などを買い漁っているのはすごく有名な話なんです。
そして、スイスやチェコのプラハなど高級ホテルオーナーには、ロシア人の名前が並んでいます。
このようにヨーロッパでは、ロシア人は主要な外国人投資家の側面も持っているので、経済的なつながりという面で見ても、石油や、ガスだけではないのです。
まとめ
今回は、【投資に必要な知識】ロシアのルーブル危機を学び投資に活用しようというテーマで話をしてきました。
投資にどのように活用できるの?という話を最後にしようと思います。
日本からロシアの株やルーブルに投資をする人はほぼ皆無だし、情報もなかなか入っていきませんね。
しかし、ロシアの経済の悪化や、アメリカからのロシアへの経済制裁などが、ヨーロッパに与える影響が大きいということはわかったと思います。
実はこの流れを知っているだけで、ヨーロッパのマーケットに対しての危険察知ができるようになるんです。
EU諸国に影響が出るともちろん世界の為替や株式市場に影響が出てくるわけですね。
また、ニュースのを見る角度も変わっていくと思います。
このように1つ1つの知識を蓄えていくことで、少しでも投資で有利に戦えるということです。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。