こんにちは、Centです。
今回は、日経平均の計算方法と、その知識から応用で、投資戦略について解説をしていきます。
投資を始めたばかりの人は、日経平均や、TOPIX、マザーズ指数など毎日目にしている人もいると思います。
そして、投資を始めてしばらく経った人でも計算方法について細かく答えられる人はかなり少ないように思います。
私からすると、それはもったいない話です。
先に結論を書きます。
日経平均
= 225銘柄の合計株価(みなし額) ÷ 序数
なぜならば、仕組みを知ることで投資をより有利に進めることができるからです。
投資の分析方法(小手先の技)などを勉強しがちですが、そもそもの仕組みがわかっていないと意味がありません。
今日はそんな話をしていこうと思います。
しっかり理解して、レベルアップしましょう。
日経平均の計算方法
日経平均ってどうやって計算されているか、わかるかのぉ?
日経平均!?そういえば、考えたこともなかったです。。。
日経平均の計算方法がわかれば、投資を有利に進められることもあるのじゃ!
投資が有利に!?それなら知りたいです!
それじゃぁ、教えていくとするかのぉ。ほっほっほ。
計算は複雑になっている
「計算が苦手だよ」ってひともいると思うので、簡単な仕組みについて学びましょう。
みんなのイメージの日経平均の計算方法は、このようなものでじゃないでしょうか?
日経平均 = 225銘柄の合計株価 ÷ 225
実はこれは計算方法として間違っているんですが、おおまかな考え方としてはほぼ合っています。
でも、日経平均225銘柄に採用されている銘柄の中には、100円台の株価のものもあれば、1株40,000円を超えるような銘柄もあるわけです。
さっきの計算方法で計算をしてしまうと、100円の株価の会社よりも、40,000円の株価の会社の方が、400倍も日経平均に影響してくる計算になってしまいます。
こうなると、日経平均の意味がなくなってしまうのでうまく調整しましょうと言うことになりました。
そこで、日本経済新聞社では、『序数』というものを採用しています。
計算方法の理由から、毎日序数が変わります。

リンクを貼っておいたので、序数を確認したい人はリンクから飛んでみて下さい。
サイトの下のほうに行けば、なぜこのような数値が計算されるのかについても細かく説明されています。
今回は、大きな流れを掴むために説明するので、序数の計算方法については省かせていただきます。
なぜ序数を採用するのか?
先ほども伝えた通り、株価の高い銘柄の影響を少しでも減らすために、序数が採用されています。
そして、構成銘柄の入れ替えがたまにありますが、その時には、序数も大きく変わることがあります。
さらには、株式分割などで株価自体が10倍になったとしても、対応できるように、『みなし額』という考え方が採用されています。
要は、株価が高い会社と、低い会社の格差をなくすための考え方です。

同じように、さっきのサイトの下部から確認できます。
画像の引用が認められていないようなので、ご自身で見に行ってくださいね。
結論
日経平均 = 225銘柄の合計株価(みなし額) ÷ 序数
日経平均株価は、このみなし額で換算した構成銘柄株価の合計金額を、「除数」で割って算出します。
除数は株価平均を算出する際に、市況変動によらない価格変動を調整し、連続性を維持するためのもので、この方法による算出を一般には「ダウ式」と呼んでいます。
歴史
知識のために、ここで簡単に日経平均の歴史を見ておきますね。
1950年に計算が開始されました。
当時は、東京証券取引所が算出しており、名称も「東証修正平均株価」として公表されていたんです。
その後、1970年に日本経済新聞社グループが算出を引き継いで現在に至ります。
日本経済新聞社はダウ・ジョーンズ社の許可を得て、「日経ダウ平均株価」の名称で平均株価を算出し公表していました。
そのため、1975年5月以降、公式に「日経平均株価」は「日経ダウ平均株価」と呼ばれていた時代があったそうです。
ちなみに、NYダウは日経平均とは算出方法が違います。
【NYダウ計算方法】
平均株価
= 構成銘柄株価の単純合計 ÷ 除数
株価が高い銘柄は、影響力が大きいってことですね!
脱線したので話を戻しますね。
日経平均は値がさ株で下落する
これを執筆している日は2020年3月18日です。
序数や、みなし額を用いて計算されている日経平均ですが、それでも株価が高い会社は、影響力がとても大きいものとなります。
この日の日経平均の、寄与度(影響)が高い銘柄を確認してみます。

今日の相場では、コロナウィルスの対策薬と言われる薬を開発した「富士写真フイルム」などの生活環境をクリーンにする会社が買われる傾向にありました。
しかし、注目すべきは「寄与度下位」です。
上から、「ファーストリテイリング」、「ソフトバンクグループ」、「ファナック」、「KDDI」などです。
構成率
ここで、日経平均の中での影響力を示す「構成率」を見てみますね。

スマホだと、図が小さくなるかもしれないので、リンクを貼っておきますね。
日経平均に影響を与える上位5銘柄。。。
「ファーストリテイリング」、「ソフトバンクグループ」、「東京エレクトロン」、「ファナック」、「KDDI」
どっかでみましたね!?
この日に売られた上位と一致するんです。
この5銘柄が日経225銘柄の、23.13%も寄与度を持っているので大きな影響が出て、この日は、4銘柄だけで日経平均を244円も押し下げた計算になるということです。
何が言いたいか?
日銀や、GPIF(年金)などは個別の企業を応援して買うこともできないので、ETF(投資信託)を買って日経平均を買い支えています。
しかし、海外などのヘッジファンドは、日経平均を下げたいときには、先ほどの値嵩(ねがさ)株を売るだけで、日経平均を下げることができるのです。
- 通常の売買
- 日銀など機関の買い
- ヘッジファンドなどの思惑
そして、ヘッジファンドの売買方法にも理由があります。
ヘッジファンドの売買方法
これは、私が推奨する売買方法ですが、ヘッジファンドの売買方法でもあります。
日本株の60%は海外投資家と言われており、そのほとんどはヘッジファンド等の機関投資家です。
ヘッジファンドでは、たくさん空売りを入れるようなイメージですが、利益のほとんどはアービトラージです。
日本語だと、裁定取引と呼ばれています。
簡単に説明すると、割高な株を売り、割安な株を買う。
そうすると、合算して利益が出やすい。
そして、暴落や暴騰に対しても保険をかけられますね。
そして、割高と割安の格差が縮小すれば利益になると言うわけです。
購入は、ヘッジファンドごとに銘柄は違うけど、保険で売るのは値嵩株になることが多いんですね。
値嵩株が買われる日
値がさ株が買われる日というのは、どのような日があるか考えてみましょう。
- その銘柄が、好材料で買われている
- 日経平均全体が買われている
- 相場全体の雲行きが怪しくなっている
1番と、2番はイメージが湧きやすいと思います。
しかし知っておかなければいけないのは、3番目のケースですね。
なぜ相場全体の雲行きが怪しくなると、値がさ株が買われるのでしょうか?
説明していきますね。
雲行きが怪しくなると値嵩株が買われる
投資の基本的なことですが、資金を投入すればするほどリスクが上がっていきます。
そして、現金の比率を高くすればするほど、リスクは下がっていきます。
だから、相場が大きく動くようなリスクが高い状態になってくると、ヘッジファンドなどは現金比率を高くしようとします。
だから、手仕舞いをするんですね。
そうなると、利益確定と一緒に、空売りをしていた値嵩株を買い戻しする動きが出るわけです。
だから、暴落などが始まる初期の頃は、値嵩株がなかなか下落しない現象が起きます。
知っていると、お金の流れが分かります。
注目しておかなければならないところですね。
コロナショックの下落のはじめは?

赤丸をつけたところは、相場全体が全面安の状態になった日の寄り付きを見てほしいんですが、日経平均構成率18番目のトヨタは、とても大きく下落して寄り付いているのが分かります。
しかし、ファーストリテイリングはそこまで大きく下げていないところから、上昇しているのが見て取れます。
全面安になるような日は、このような動きがよく見られます。
その前日も、ファストリは寄り値よりも高く終了、トヨタは、寄り値からさらに売られて終了という流れでした。
さらに注目すべき点
そして、チャートの1番最後の日。
この記事を書いている日ですが、ファーストリテイリングが大きく売られて、トヨタはほとんど売られていません。
日経平均が、(-1.68%)という日に、値嵩株は大きく下げていますね。

下げすぎといってもいいでしょう。
この動きが見られるのは、、、ヘッジファンドなどが資金を投入したときに見られる動きです。
この辺が、ヘッジファンドなどは、妥当なラインと見ているのかもしれません。
ここからもしも大きく下落したとしても、空売りをしている値嵩株がヘッジファンドを守ってくれるんです。
ヘッジファンドの、投資手法をあなたも、取り入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は、日経平均の計算方法から、ヘッジファンドが用いるアービトラージの方法と、その投資戦略について話をしてきました。
今回は、アービトラージという言葉を使いましたが、言い方がたくさんあります。
- アービトラージ
- 裁定取引
- ロング・ショート戦略
- マーケットニュートラル
- 利ザヤ
- スプレッド取引
これらは全て、割安になっているものを買い、割高になっているものを売ると言う戦略が基礎になった考え方です。
全く同じ銘柄でこれをする人もいますし、同じセクターの割高割安で取引をする人もいます。
私の場合は、香港株を買って、日本株を売ることもあります。
同じようなセクターでも、個別株それぞれによって違う動きをしているので、そこを狙ってみるのも面白いと思います。
どうだったでしょうか?
難しいこともあったかもしれません。
しかし、お金の流れを見れば大口のヘッジファンドなどがどのように考えているのか、予想をつけて、投資のタイミングなどに活かせる時があります。
あなたの投資生活に少しでもプラスになりますように。
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それでは、またお会いしましょう。